横浜市教育委員会は新たな教育センターの整備に関わる基本構想を一部見直す。コロナ禍におけるICTの急速な進展、GIGAスクールの推進といった社会環境の変化を踏まえた対応で、候補地探しを継続しつつ施設計画なども検討。候補地が定まれば基本計画を立案していく。これに伴う業務の委託先を公募型プロポーザル方式で3月に選んで2021年度に作業を進める。
新たな教育センターは、関内駅の至近にあった教育文化センター(中区万代町)の閉館・解体によって分散実施している教育関係事業の受け皿となるもの。20年3月に基本構想を策定し、市内各所から児童生徒と教職員が集まりやすく、産学官連携も図りやすい場所に延べ床面積約1万2000平方bの施設を整備して、1000人程度を収容できるホールや研究・研修室、コミュニケーションスペース、教育相談室などを配置するとした。
ICTを活用した研修の実施、タブレットを活用した双方向型授業の研究・開発、特別な支援が必要な子どもと保護者のための「保育・幼児教育センター」の併設などにも言及している。
従来方式で概算事業費約64億円を見込み、21年度の基本計画策定や22〜23年度の設計を経て、24年度の着工、27年度の開業を想定。設計・施工一括発注(DB)や設計・施工・維持管理一括発注(DBO)、PFIに加え、民間建物を借り上げての整備なども視野に入れている。ただ、現時点で候補地は定まっておらず、市有地だけでなく民間の土地・建物にも範囲を広げて探している。
一方で、市教委は国のGIGAスクール構想などを受けて20年9月に市版のGIGAスクール構想を策定。新型コロナウイルスの感染拡大を背景とした臨時休校の経験も考慮して、20年度中に市立小・中・特別支援学校の児童生徒と教職員の1人1台端末整備や、教育用ネットワークの高速化を実施するなどとしている。
このためコロナ禍におけるICTの急速な進展、GIGAスクールの推進といった社会環境の変化を踏まえ、新たな教育センター整備の基本構想を一部見直すこととし、施設計画の検討などを含む業務(税込み概算業務価格約1300万円)を委託して21年度に作業を進める。
プロポ手続きは「各種調査企画」の競争参加有資格者から1月29日まで参加意向申出書、2月24日まで提案書の提出を求めるなどして3月中旬に委託先を特定する予定。22年3月31日までに成果をまとめてもらう。
提供:建通新聞社