滋賀県は15日、21年度当初予算案の見積額を発表した。一般会計の見積額は20年度当初予算を17・1%上回る6682億円。特別会計(10会計)は、同2・7%下回る2335億円。企業会計(5会計)は、収益的支出が同9%増の1028億円、資本的支出が同22・4%増の296億円となった。今後、知事査定を経て予算案として取りまとめ、2月定例議会に提案する。
各部局別の見積額は▽総合企画部118億1500万円▽総務部等258億0500万円▽文化スポーツ部78億4300万円▽琵琶湖環境部172億9800万円▽健康医療福祉部1329億8900万円▽商工観光労働部834億1900万円▽農政水産部200億2100万円▽土木交通部598億2400万円▽警察本部320億5900万円▽教育委員会1297億7300万円。商工観光労働部は、中小企業金融対策費などの要求から同429・9%の大幅な伸びとなっている。
主な事業としては、希望が丘文化公園施設整備費と長寿命化等推進整備費に8億2945万円を要求し、スポーツ施設整備費として、滋賀アリーナ(新県立体育館)の整備事業、県立スイミングセンターの代替機能を担うプールを整備する草津市に対して債務負担行為で1億4330万円。そのほかに彦根総合運動公園整備事業に2億6910万円を要求する。琵琶湖博物館の長寿命化に係る予防保全対象部位の修繕、改修工事費として2億4047万円。医療福祉では、地域介護総合確保事業費として12億1526万円を要求し、そのなかで新規に広域型施設の大規模修繕・耐震化整備事業で介護施設等の新規整備を条件に、既存施設の大規模修繕または耐震化を行う事業に対して補助し、介護職員の宿舎施設整備も新規要求。また、近江学園の設計・建設・維持管理について、PFI方式による事業費として21年度から37年度の16ヵ年の債務負担で45億5176万円。子育て環境づくり対策事業費に5億0216万円のなか、市町が行う認定こども園等の施設整備等に対して3億5496万円の補助を行う。工業技術総合センターの長期保全計画に基づく予防保全工事、信楽窯業技術試験場施設更新工事に6億9664万円を要求する。
インフラ関係では、土地改良公共事業75億0162万円、道路関係公共事業222億9025万円、砂防関係公共事業37億8651万円、河川関係公共事業116億6106万円、ダム関係公共事業2億0577万円―など。
警察関係では、草津警察署の移転新築整備に16億4695万円、補助交通安全施設整備費に5億1999万円。教育委員会関係では学校施設の適切な維持のため施設改修等で、高等学校建設費として23億3293万円、特別支援学校建設費に5億3945万円、県立学校ICT環境整備事業に4億2386万円。新規に湖西地域県立高等学校魅力化推進事業として、魅力化に必要な備品購入や教室整備を実施し、湖西地域の県立高等学校の魅力を図る。企業庁関係では吉川浄水場耐震対策工事、管路更新設計及び工事、浄水場等浸水防止対策工事ほか57億8876万円、吉川浄水場薬注設備改良工事、馬渕浄水場1系沈殿池汚泥掻寄機他更新工事、日野第1加圧ポンプ場自家発電設備更新工事、水口浄水場排水処理設備更新工事ほか24億5248万円―などが要求されている。
滋賀県の2021年度当初予算案見積額の主な内容は次の通り(▼は新規)。
◎総合企画部
【企画調整課】
▽新駅問題支援対策費=6912万円(東海道新幹線新駅地域振興支援交付金)
【エネルギー政策課】
▽エネルギー政策推進費=1億1589万円(▼新しいエネルギー社会づくり加速化プロジェクト推進事業等)
◎総務部
【総務課】
▽県有庁舎管理費=3億3684万円(県庁舎更新・改修事業1億1708万円等)
【私学・県立大学振興課】
▽公立大学法人振興課=33億7408万円(公立大学法人滋賀県立大学施設・設備整備費補助金3億9212万円等)
【事業課】
▽選手宿舎個室化改修、消波装置更新
◎文化スポーツ部
【文化芸術振興課】
▽文化施設整備事業費=1475万円(文化産業交流会館の施設・設備の整備・改修)
▽びわ湖ホール施設整備事業費=3415万円
▽希望が丘文化公園管理運営費=3億8462万円(希望が丘文化公園基本計画に基づき、東エリアを含む公園全体の活性化に向けた調査等)
▽希望が丘文化公園施設整備事業費=8億2945万円(希望が丘文化公園施設整備費、希望が丘文化公園長寿命化等推進整備費)
【文化財保護課】
▽文化財活用促進費=4717万円(「幻の安土城」復元プロジェクト事業等)
▽遺跡保存整備事業費=4億4686万円(公共事業関連緊急発掘調査)
▽文化財保護助成費=1億6665万円(指定文化財保存修理等補助事業)
【スポーツ課】
▽スポーツ施設整備費=3億2528万円(滋賀アリーナ整備事業、県立スイミングセンターの代替機能を担うプールを整備する草津に対して、財政支援、県立アイスアリーナ、県立ライフル射撃場の耐震対策)
【国スポ・障スポ大会課】
▽国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会開催準備事業費=5億8790万円(〔仮称〕彦根総合運動公園整備事業等)
◎琵琶湖環境部
【環境政策課】
▽管理運営費(琵琶湖博物館)=5億5285万円(長寿命化等推進事業費等)
【琵琶湖保全再生課】
▽琵琶湖総合保全対策費=5063万円(早崎内湖再生事業等)
▽水質保全対策費=3285万円
▽ヨシ群落保全事業費=1557万円
▽水草刈取事業費=2億4073万円
【循環社会推進課】
▽循環型社会形成推進費=4798万円(産業廃棄物の減量化および資源化を促進するため、施設整備や研究開発等に対して支援等)
▽産業廃棄物対策事業費=2億5805万円(最終処分場支障除去対策工等)
【下水道課】
▽汚泥処理施設整備促進事業費=7437万円(下水道終末処理場高度処理施設維持管理費補助金4市5処理場〔大津市、近江八幡市、甲賀市、高島市〕、公共下水道接続事業5市1町〔長浜市、守山市、高島市、東近江市、米原市、竜王町〕、浄化槽設置整備事業10市4町〔大津市、彦根市、長浜市、近江八幡市、守山市、甲賀市、野洲市、高島市、東近江市、米原市、日野町、竜王町、愛荘町、多賀町〕、公共下水道整備事業6市1町〔彦根市、長浜市、近江八幡市、甲賀市、高島市、東近江市、日野町〕、公共下水道高度化事業6市〔大津市、彦根市、長浜市、近江八幡市、草津市、東近江市〕)
【森林政策課・森林保全課】
▽琵琶湖森林づくり事業費=14億7218万円(農地漁場水源確保森林整備事業等)
▽「やまの健康」推進事業費=3595万円
▽林野関係公共事業=26億1076万円
【自然環境保全課】
▽自然公園等管理費=1億1309万円
▽自然環境保全推進費=3億1448万円(山を活かす巨樹・巨木の森保全事業等)
▽鳥獣対策費=1538万円
▽森林動物対策事業費=2億8566万円
◎健康医療福祉部
【医療政策課】
▽医療機関等整備費=1億3299万円(原子力災害拠点病院等施設設備整備補助等)
【健康寿命推進課】
▽地域医療総合確保事業費=2億4430万円(回復期リハビリテーション施設整備事業、医療情報ICT化推進事業等)
【医療福祉推進課】
▽地域介護総合確保事業費=12億1526万円(地域密着型サービス施設等整備事業、▼広域型施設の大規模修繕・耐震化整備事業、▼介護職員の宿舎施設整備事業等)
▽公私立老人福祉施設等整備助成費=3億7568万円(介護施設等施設整備費補助金)
【障害福祉課】
▽民間児童福祉施設等整備助成費=6億4168万円(民間心身障害児者施設整備費補助7ヵ所)
▽児童福祉施設運営費=4億9142万円(近江学園長寿命化等推進事業)
【生活衛生課】
▽水道事業総務費=3億5566万円(水道生活基盤施設耐震化等事業9事業者、水道施設維持管理指導事業)
【子ども・青少年局】
▽子育て環境づくり対策事業費=5億0216万円(子育て支援環境緊急整備事業〔施設整備2市4施設〕等)
▽児童厚生施設等設置促進費=3865万円(放課後児童クラブ施設整備費〔施設整備6市町6施設〕)
▽児童養護施設等入所措置費=24億5891万円(児童養護施設等整備費〔施設整備1施設〕等)
◎商工観光労働部
【商工政策課】
▽中小企業支援事業普及費=5億5500万円(新型コロナウイルス感染症対策経営力強化支援事業)
【中小企業支援課】
▽中小企業支援事業普及費=1億6001万円(中小企業等への支援による地域経済活性化事業等)
【モノづくり振興課】
▽工業立地指導対策費=7億3825万円(企業誘致推進事業)
▽工業技術総合センター運営費=6億9664万円(工業技術総合センターの長期保全計画に基づく予防保全工事および信楽窯業技術試験場施設更新工事)
▽東北部工業技術センター運営費=5506万円(整備予定地の地質調査を実施等)
【観光振興局】
▽観光振興推進費=12億1703万円(米原駅を核とした観光二次交通の整備促進等)
◎農政水産部
【農業経営課】
▽農地流動化促進対策費=2億0395万円
▽農業改良普及活動事業費=1133万円(しがのスマート農業推進事業等)
▽産地競争力の強化対策費=11億8322万円(農業用機械・施設の導入支援等)
▽獣害対策推進プロジェクト事業費=9330万円(集落ぐるみの獣害対策を進めるための施設整備等)
【水産課】
▽水産基盤整備事業費=3億7850万円(ヨシ帯および砂地の造成を行い、水産資源の増大等)
【耕地課・農村振興課】
▽土地改良公共事業=75億0162万円
▽アセットマネジメント推進対策費=3756万円
▽土地改良施設管理事業費=5億1166万円
▽農村環境保全推進事業費=903万円
▽世代をつなぐ農村まるごと保全事業費=10億7197万円(施設の長寿命化支援等)
◎土木交通部
【監理課・技術管理課】
▽地方合同庁舎管理費=9058万円(長寿命化対策事業等)
▽建設業者指導育成費=2358万円(建設産業魅力アップ事業)
【交通戦略課】
▽鉄道整備促進事業費=1億1583万円(鉄道施設等の整備充実等)
▽総合交通企画費=4675万円
【道路整備課・道路保全課】
▽道路関係公共事業=222億9025万円
▽道路交通調査費=4384万円(地域高規格道路調査費)
▽道路除雪費=8億6394万円
【砂防課】
▽砂防関係公共事業=37億8651万円
【都市計画課】
▽都市計画関係公共事業=25億2113万円
▽都市計画推進指導費=7386万円(滋賀県都市計画基本方針策定事業)
▽単独都市計画街路事業費=7911万円
▽公園管理費=3億7255万円(▼都市公園民間活力導入検討事業)
▽単独都市公園事業費=54億2668万円(湖岸緑地〔赤野井吉川地区他〕、尾花川公園、びわこ文化公園、金亀公園)
【住宅課】
▽県営住宅関係公共事業=2億5040万円
▽県営住宅管理費=5億0856万円(県営住宅施設改善工事等)
▽人と環境にやさしい住宅建設推進事業費=677万円(空き家対策事業費等)
【建築課】
▽木造住宅耐震化促進事業費=2309万円
【流域政策局】
▽河川関係公共事業=116億6106万円
▽ダム関係公共事業=2億0577万円(長寿命化計画に基づき、県管理ダムの堰堤設備の更新整備)
▽港湾関係公共事業=4410万円(長浜港の耐震岸壁の整備)
▽水害に強い地域づくり事業費=1億5333万円(流域治水推進事業、防災・減災対策事業)
▽中規模堰堤改良事業費=1億6460万円
▽水源地域対策費=2億3573万円
▽補助土木施設災害復旧事業費=4億5000万円(応急復旧分)
▽単独土木施設災害復旧事業費=5000万円(応急復旧分)
▽国直轄河川事業費負担金=1億7229万円
◎警察本部
▽警察施設費=19億5564万円(草津警察署移転新築整備、交番・駐在所の新築整備)
▽刑事警察費=5億8329万円(▼地域見守りカメラ設置促進事業等)
▽交通指導取締費=18億3261万円(補助交通安全施設整備費、交通信号機の整備等)
◎教育委員会
【教育総務課】
▽高等学校建設費=23億3293万円(施設改修費〔屋上防水改修[大津、信楽]、屋根改修[長浜農業、玉川]、非常放送・防災受信機改修[堅田]、天井・床改修[彦根東]、プール改修[長浜北星]、防火シャッター改修[安曇川]、ウエイトリフティング場改築[安曇川]〕、工事〔セミナーハウス整備[虎姫]〕、長寿命化等推進事業、予防保全工事〔屋根・外壁改修[河瀬、守山北、国際情報、石部、水口東、甲南]、外壁改修[甲西]〕、設計〔屋根・外壁改修[北大津、八幡、八幡商業、栗東、虎姫、安曇川]〕、外壁改修[彦根翔西館]、修繕工事9校、更新・改修工事、設計、工事〔屋上防水・外壁改修等[八幡商業、安曇川]〕、県立学校空調設備整備事業、県立学校LED照明整備事業、県立学校トイレ整備事業、設計[八日市]、工事[大津・大津清陵馬場分校、河瀬、守山、水口東、安曇川]、修繕工事[長浜北星、能登川、伊吹])
▽特別支援学校建設費=5億3945万円(施設改修費、設計、工事〔外壁改修[北大津養護]、ランチルーム改修等[盲学校]〕、設計〔エレベーター改修[北大津養護]、会議室改修等[盲学校]〕、長寿命化等推進事業〔屋根・外壁改修[野洲養護、甲良養護]〕、設計〔屋根・外壁改修[草津養護]〕、修繕工事3校、県立学校LED照明整備事業、県立高等養護学校整備事業(北大津高等養護学校を北大津高等学校に併設するため、施設改修工事)、県立学校トイレ整備事業〔設計[八日市養護]〕、▼県立養護学校増築事業〔設計[草津養護]〕)
▽情報教育推進費=4億5872万円(県立学校ICT環境整備事業)
【高校教育課】
▽教育行政企画調整費=857万円(▼湖西地域県立高等学校魅力化推進事業)
◎企業庁
▽災害や事故に強い施設づくり=4億7000万円(管路更新設計および工事〔多賀敏満寺ライン、湖南団地ラインほか〕、浄水場等浸水対策詳細設計ほか)
▽計画的な施設および設備の更新=4億4815万円(彦根浄水場受変電設備等更新工事、吉川浄水場薬注設備改良工事ほか)
▽災害や事故に強い施設づくり=57億8876万円(吉川浄水場耐震対策工事、管路更新設計および工事(日野ライン、蒲生日野ラインほか)、浄水場等浸水防止対策工事ほか)
▽計画的な施設および設備の更新=24億5248万円(吉川浄水場薬注設備改良工事、馬渕浄水場1系沈殿池汚泥掻寄機他更新工事、日野第1加圧ポンプ場自家発電設備更新工事、水口浄水場排水処理設備更新工事ほか)
◎病院事業庁
▽建設費=総合病院東館解体その他工事
▽病院建物設備改修工事等=東館解体その他工事等
― ◇ ―
滋賀県は15日、20年度2月補正予算案の見積額を発表、一般会計334億0849万円を要求する。
主なものとしては、障害福祉課で民間児童福祉施設等整備助成費3億8377万円、教育委員会から高等学校建設費として、デジタル化に対応した産業教育設備の整備に16億9800万円―など要求していく。
主な内容は次の通り。
◎総務部
【私学・県立大学振興課】
▽私立学校振興対策費=2641万円(私立幼稚園教育支援体制整備費補助金)
◎文化スポーツ部
【文化芸術振興課】
▽文化施設整備事業費=5033万円(文化産業交流会館のトイレ設備改修に伴う増額)
【文化財保護課】
▽琵琶湖文化館管理運営費=2000万円(琵琶湖文化館後継施設検討事業)
◎琵琶湖環境部
【森林政策課・森林保全課】
▽林野関係公共事業=4億8000万円(補助治山事業)
◎健康医療福祉部
【障害福祉課】
▽民間児童福祉施設等整備助成費=3億8377万円
◎農政水産部
【農業経営課】
▽産地競争力の強化対策費=2億9764万円(農業機械・施設の導入支援)
【耕地課・農村振興課】
▽土地改良公共事業=25億8329万円
◎土木交通部
【道路整備課・道路保全課】
▽道路関係公共事業=165億8610万円
▽雪寒機械整備費=3億0120万円
【砂防課】
▽砂防関係公共事業=16億1075万円
【都市計画課】
▽都市計画関係公共事業=32億8100万円
【流域政策局】
▽河川関係公共事業=24億9060万円
▽ダム関係公共事業=6億7190万円
◎教育委員会
【教育総務課】
▽情報教育推進費=1億4848万円(県立学校ICT環境整備事業)
▽高等学校建設費=16億9800万円(デジタル化に対応した産業教育設備の整備)
提供:滋賀産業新聞