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北海道建設新聞社
2021/01/18

【北海道】三毛別ヒグマ襲撃を風化させるな 苫前町がGCF検討

 苫前町三毛別で起きたヒグマ襲撃を風化させない―。1915(大正4)年12月、巨大なヒグマは集落を襲って胎児を含む8人の命を奪い2人に重傷を負わせた。史上最大級の獣害事件だ。その悲惨な出来事を後世に伝えるとともに、先人への供養の気持ちを込め、苫前町は88年に庁舎前にヒグマのモニュメントを建てたが、現在は老朽化が進行。町は補修に向け、ふるさと納税を活用するガバメントクラウドファンディング(GCF)を2021年に実施することを検討している。

 ヒグマのモニュメントは今ではまちのシンボルに。来訪者が撮影するなど観光スポットの一つとなっているが、長年の風雨や雪により鉄骨の腐食、塗装の劣化が進んでいる。

 ヒグマのモニュメントは強化プラスチック(FRP)製で高さが約4m。前後に顔が付いていて、どちらからでも撮影が可能。ヒグマを支えるアーチは鉄骨で高さが7m、幅が3mある。

 完成後、30年以上経過し劣化が著しく、アーチとヒグマ本体を結ぶ金具が破断。安全対策のためゴムバンドで固定している。アーチ部は腐食して穴が開き、塗装が所々剥げ落ちるといった損傷が発生している。

 町ではGCFを活用して、基礎部の補修やヒグマ本体の再塗装、アーチを更新したい考え。担当者は「寄付してもらうにはストーリー作りが大切」と話し、寄付者を募るための物語構成に腐心している。

 また、町は建設後、約20年たった道の駅「風W(ふわっと)とままえ」改修にもGCFの利用を検討している。空調やボイラ、湯温・室温を制御する設備更新、外壁のひび修繕を計画し、財源の一部としたい意向だ。