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　甲賀市はこのほど、甲南町野川にある甲南第三小学校の統合校整備の可能性や再編の方向性を模索する「再編検討協議」について、同学区の保護者等で構成する再編検討協議会が、今後の児童数を鑑み「他校との統合もやむを得ないが吸収という形ではなく、地域内にある3校合同の新しい学校での再編統合を希望する」との考えをまとめ、市教育委員会へ報告されたと明かした。
　対象3校区は、甲南第二小学校・甲南中部小学校と同校の3校。統合もやむを得ない理由は、住民から愛されている同小学校の存続を希望しているが、子どもたちの学習環境・未来を考えた時に、少人数学習よりは多くの児童・友達とともに様々なことを学んでいくことの方がより心豊かな成長へとつながるのではとの意見から苦渋の選択を行ったとした。
　同協議会によると、開校以来110年以上の歴史ある同小学校は、地域とともに育み地域によって支えられてきた大切な場所で学校の歴史は地域の歴史と言っても過言でない位密接な関係性とのことから、統合により学校や登下校時に聞こえる子どもたちの声が聞こえなくなると、地域の活力を失い人口減少に拍車をかける要因とならないか危惧しているとも話し、統合の際はそういった地域が明るくなる施策にも目を向けて、住民の不安解消に努めていただきたいと要望した。
　これを受け市は、学区単位で立ち上げている他の協議会の意見・報告を待ち、今年度内に全ての地域の意見書を集める。21年度末までにそれらをまとめると同時に市としての方針・意見を定め、22年度以降から順次必要事業に取り掛かる方針だ。結果によっては、改修工事や解体、民間介入の跡地利活用など、さまざまな施策が必要となってくることから、今後の動向が注目される。

提供：滋賀産業新聞