関市の国土強靱(きょうじん)化地域計画をまとめた。緊急輸送道路や市内学校施設の長寿命化改修などを進める。対象期間は2024年度までとなっている。
関市の土地はV字型の形状をしており、北西部の洞戸・板取地域は豪雪地帯に指定されている。また木曽川水系長良川流域の河川では「平成30年7月豪雨災害」などで水害が発生している他、中部以北は山地が多いため斜面崩壊が発生しやすい。また岐阜県は活断層が多いく予想されている南海トラフ地震のような海溝型だけでなく、直下型の地震にも備える必要がある。
これらの災害に備えるため、関市は小中学校長寿命化計画に基づき施設の改修を進め、長寿命化率を0%(19年度)から20%(24年度)にする他、大規模盛土造成地の調査を進め、必要なら工事などを行い被害の軽減を図る。また各種支援政策を実施することにより民間建築物の耐震化やブロック塀の撤去を進める。
道路関係では、緊急輸送道路やそれと接する幹線道路の改良や路面整備、橋梁の耐震化を進める。また緊急車両通行のため、狭隘(きょうあい)道路の拡幅事業を続行する。都市計画道路整備の目標値は、77・4%(19年度)から82・7%(40年度)としている。橋梁に関しても、引き続き予防保全的な対策を進める。
水道施設については、水源地や配水池、管路の耐震化を計画的に進める。下水道や農業集落排水施設についても最適整備構想計画を策定し、計画的な機能保全を図る。またし尿処理場改築・統合は25年度までに完了させる。
農道施設(橋梁など)は点検を行いその結果に基づき計画的な整備を行う。同様に治山施設や林道施設(橋梁やトンネル)についても計画的な整備を行う。
河川や水路施設整備では、岐阜県と協力しながら河川浚渫工事を中心に浸水対策を行う。また流木対策のため透過型砂防堰堤など砂防事業の促進を図る。
防災重点ため池については堤体の老朽度や対震度調査を行う。農業用ため池は堤体の補強や補修を行う。
急傾斜地崩壊危険箇所は県と連携してハードとソフトが一体となった整備を進める。その他法面についても被害実績などを踏まえ対策工事を行う。
また長期目標で、土地区画整理事業整備率を0%(19年度)から100%(40年度)に、市民1人当たりの都市公園面積を19・7平方b(19年度)から20・5平方b(40年度)としている。
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建通新聞社