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建通新聞社
2021/01/13

【大阪】猪名川河川 島の内地区の堤防強化を実施へ

 淀川流域治水協議会の第2回猪名川分会が12月23日に池田市内で開かれ、猪名川流域治水プロジェクトの取りまとめ、主要事項の両案について議論した。「上下流・本支川の流域全体を俯瞰し、国や府県、市町が一体となって流域治水を進める」考えの下、ハード面では、国や大阪府・兵庫県、流域市町の豊中市、兵庫県尼崎市、川西市などが本・支川で進める河道掘削や堤防強化などの河川対策、公共下水道の雨水管渠整備、ポンプ増強などの流域対策を短期・中期・中長期で進め、破堤などによる浸水被害の解消を目指す。
 河川対策の主な取り組みを見ると、短期的には、兵庫県が多田地区の支川で築堤・護岸整備、橋梁改築を実施し、直轄区間上流の出在家地区で猪名川河川事務所が河道掘削を行い、河川整備計画のメニューを完了する。
 中期的には猪名川と藻川に囲まれ、水害リスクが流域の中で比較的高い島の内地区の堤防強化を重点的に進める。同地区では猪名川河川事務所が防災活動拠点の整備を2020年度中に完了。豊中市が進めている利倉橋の架け替えも21年度の出水期までに完了し、その後、同事務所が堤防強化に着手するイメージだ。堤防強化は既存の堤防幅約4bを約7bに拡幅、法面はコンクリート張りで強化する。
 さらに中長期的には、流域の川西市、池田市、豊中市、尼崎市の直轄区間上流の堤防強化を完了させる。
 流域全体の対策では、下水道関連施設の整備による浸水対策などを計画。豊中市が雨水ポンプ(庄内処理場、小曽根第1ポンプ場)、雨水管渠(増補管の新免幹線)などを整備。新免幹線については20年度に着手した1期のシールド工(口径2000_)に続き、23年度以降26年度にかけて2期のシールド工(口径3000_)を想定する。
 尼崎市では、庄下川の都市基盤河川整備事業を推進。最上流部の区間で21年度に護岸工延長87b、河床掘削延長87b、橋梁根固め1カ所、さらに22〜24年度に護岸工延長約250b、河床掘削延長約240bを進める計画。また中長期的に雨水ポンプの増強、雨水貯留管の整備を進める。
 川西市では東畦野地区で進めている雨水幹線の整備を21年度に完了させる。
 大阪府でも流域下水道ポンプ場や水みらいセンターでの雨水ポンプ増強、調節池やダム、さらにため池も含めた治水活用などに取り組む計画だ。


提供:建通新聞社