三洋化成工業(京都市)と、関係会社で新型リチウムイオン電池「全樹脂電池」の開発を行うAPB(東京都)は21年、越前市で整備を進める「第一工場(APB福井センター武生工場)」を稼働させるとともに、さらなる事業展開を見据え、より大規模な次世代工場の建設についても検討する構えだ。
第一工場の設置にあたっては、越前市庄田町の空き工場を活用。今春に改装や電気関係の整備を完了させ、年内には量産化に向けた自動化設備の導入やチューニングを終えたい意向。
第一工場の完成から25年までをフェーズ1と位置づけ。一方、次世代工場は様々な用途への展開を図るため、25年から5年程度を対象とするフェーズ2での稼働を目指しており、フェーズ1の期間中に量産技術の確立に向けた研究・開発と並行しながら、次世代工場についても検討する。
越前市への進出は物流環境や強固な地盤などが決め手になったという。次の工場に関しても福井県内での設置をベースに具体化を図る方針を示しており、現在、候補地を検討し始めた段階だとしている。フェーズ2で必要な投資額には1000億円程度を見込む。
なお、APBでは20年12月、三洋化成工業や新東工業らを引受先とする第三者割当増資を実施。前回、前々回の第三者割当増資と合わせ、累計で100億円の資金調達を実現させている。