箱根町は、旧消防湯本分署・消防団第1分団詰所と箱根観光物産館を対象とした湯本地区公共施設利活用事業を進めており、事業化検討のサウンディング調査を実施する。対象事業者は対象施設に対し事業実施の意向を持つ法人または法人のグループ。参加申し込みと質問の受付期限は1月15日。調査実施は2月10日と12日、結果概要の公表は3月上旬を予定している。
湯本分署移転完成により町は、湯本地内の国道1号沿いの旧湯本分署・消防団第1分団詰所と、隣接する箱根観光物産会館の建物、敷地の約600平方bを対象に官民連携の可否を含めた利活用の可能性を探っている。同物産館については20年3月に廃止。同年4月からの2年間、さがみ信用金庫湯本支店としの仮店舗として貸し付けている。
両施設の規模は、同会館が鉄筋コンクリート造地下1階地上3階建て延べ718平方b、1966年建築。同分署が鉄骨造2階建て延べ300平方b、55年建築。いずれの施設も97年と99年に耐震工事を実施。
現在、パブリックマネジメントコンサルティング(東京都品川区)が同活用事業の実施方針など検討支援業務委託(2)を担当。納期は2021年3月15日。
主な業務内容は、跡地利用に関する土地利用の方向性や可能性の検討、民間事業者の活力導入を前提とした土地の貸し付け条件の整理など。今回の調査と合わせて委託成果を、21年度に予定している湯本地区公共施設を利活用する民間事業者の募集要項に反映させる意向。
町は18年度にも事業発案のサウンディング調査を実施。寄せられた意見、提案のうち計画地の市場性については、▽湯本に残る一等地なので有効活用しない手はない▽前面道路(国道1号)は平日でも観光客多く往来し商店街のにぎわいを享受しやすい―との声が上がる一方で、商店街の多くの店舗が午後6時ごろに閉店することから夜間の集客が難しいとの指摘があった。
また、活用のコンセプトについては、▽みどり豊かな憩いの場▽アミューズメント的施設▽人々が集い情報交換できるまちのサロン▽環境客や住民が施設に集まり散っていくような場▽食と文化・芸術が楽しめる場―などの意見が上がった。
この他、整備・運営の在り方における既存建物の扱いについては継続使用は難しく、建物の解体費用は町負担とする声や、当面は既存施設を有効活用、無理ならばさら地にして新施設建設も良いとする意見が寄せられた。事業期間では、貸付期間を長くしてくれた方がよい、最低でも20年以上とする意向があった。
提供:建通新聞社