国土交通省が試行を進める建設キャリアアップシステム(CCUS)活用推奨モデル工事の県内初案件が九州地方整備局鹿児島国道事務所から公告された。工事名は「鹿児島10号白浜地区改良5工区」。現場に入る事業者や技能者のCCUS平均登録率などが目標基準を上回ると、工事成績で加点される。
国交省は2020年度、活用モデル工事として「義務化モデル」と「推奨モデル」を設け、各地整に実施要領を通知。これを受けて九州地整は、県内のC等級向けに発注する一般土木で推奨モデル工事を試行する方針を示していた。
CCUSに関する目標基準は、@平均登録事業者率90%以上A平均登録技能者率80%以上B平均就業履歴蓄積率50%以上−の3項目。これをクリアすれば、工事成績で加点(1点)する。ただし、各項目のいずれかで目標基準を20ポイント以上下回ると、達成できなかった要因や改善策の報告が必要となる(義務化モデル工事の場合は減点措置あり)。
県内初となった案件は、施工体制確認型総合評価落札方式で実施。施工場所は姶良市脇元で、工事概要は捨石約96m3、場所打ちコンクリート約555m3、海岸コンクリートブロック据付(約480個)−など。工期は10月29日まで。
入札手続きに関する申請書等の提出期限は18日正午。入札書は2月16日正午まで受け付け、同19日10時に開札する。
CCUSの運用に関して、国交省は23年度までの全面実施を視野に入れており、登録のペースは今後さらに加速していく見通し。県内の登録数(20年12月末現在)も毎月安定して推移し、九州各県で事業者数(764社)は福岡に次いで2番目、技能者数(4179人)は福岡、熊本に次いで3番目に多い数字となっている。