県土整備部は、「土木工事共通仕様書」を昨年末までに全面改定した。国交省が運用する仕様書に準拠し、県独自の基準は「共通仕様書特記事項」として別途に取りまとめた。2月に説明会を開催後、4月1日以降の調達公告から適用する。
共通仕様書の全面改定は2012年2月以来9年ぶり。最新の国基準を盛り込んだほか、中国地方整備局が運用する基準を参考に一部県独自仕様は「特記事項」にまとめ、構成を変更した。
主な改正内容は、施工状況把握を共通仕様書から削除して「土木工事監督基準」に移行。工事完成図の設計値と実測値を比較する「赤黒対比」は廃止し、工事完成図書の納品時は「工事打ち合わせ簿」「施工計画書」「工事履行報告書」の再度の提出を不要とし、懸案となっている工事書類の簡素化につなげる。
新たに策定した特記事項については、県独自基準の技能士常駐や工事履行報告書の提出期限など仕様書に追記してある項目を記載。また、中国地整が運用する工事関係書類一覧表を追加し、受注者が作成する書類を提出、若しくは提示かを明確にした。
併せて「土木工事監督基準」を一部改定。仕様書から施工状況把握を組み入れ、監督員がやるべき事項に位置付けるとともに、「施工状況把握チェックシート」を追加した。関連する「監督基準の手引き」も全面改定し、国交省の段階確認項目に合わせ県独自の一部項目は施工状況把握に移管。受注者側の負担を軽減する。
そのほか「工事に関する協議書取り扱い要領」を一部改正し、指示や承諾、協議、提出、報告といった書式は国様式の「工事打ち合わせ簿」に統一した。
説明会は2月15、18の両日、県建設技術センターで午前と午後の計4回ウェブ参加と合わせて開催する。参加申し込みは今月18日を期限に県技術企画課まで。
仕様書改定について、同部は「今回の改定で終わりではない。今後は逐次、国交省の基準に合わせて速やかに見直していく」(技術企画課)と説明。昨年3月末に策定した「工事書類作成Q&A」とともに、書類簡素化の取り組みを強化する。
日刊建設工業新聞