日本工業経済新聞社(群馬)
2021/01/07
【群馬】前橋市が水質浄化センターの基本設計を進める
前橋市は六供町の水質浄化センター再構築に向けて、基本設計に着手した。公募型プロポーザルで選定した日水コン(東京都新宿区)をコンサルに、2021年度末までにまとめる。20年度は基礎情報の収集整理や処理方式・フローシート検討などを実施。21年度に概算事業費の算出や図面作成、PPP/PFI導入の事前検討などに取り組む。業務成果を受けて、民間活力導入か直営かを判断する。23〜24年度に事業者選定または実施設計を進め、25年度の着工予定。総事業費は約323億円を試算した。
1963年に処理を開始した水質浄化センター(六供町1331)は、休止中の1系列を含み3系列の処理施設を有する。最も古い施設は建築後55年以上が経過、更新時期を迎えたことから基本構想を2020年度に策定した。総事業約323億円を投じ、25年度から5期に分けて工事を進める方針。同構想も公募型プロポで選定した日水コンが担当した。
20〜21年度の2カ年で進める基本設計業務は、12月に同社と契約を締結。これから実質的な業務がスタートするところ。新型コロナウイルス感染症の影響により、業務が遅れることも危惧されており、市担当課は「打ち合わせ等にリモートを用いるなど工夫をして、滞りのないように進める」としている。
基本設計は年度内に基礎情報の収集整理を行い、処理方式とフローシートの検討までを実施予定。21年度は測量・地質調査、施工条件の設定、施工計画立案、施設設計など具体的な検討を行う。また、PPP/PFIの導入可能性調査に向けて事前検討を実施する。基本設計で3手法程度の案を提示し、市が事業方式を固めるながれ。
PPP/PFIにより民間活力を導入する際は、23年度に実施事業者を選定。市直営で取り組む場合は、23〜24年度で実施設計をまとめる。
現在の3系列から2系列に変更、処理能力8万4200立方m/日を再構築後は5万3100立方m/日とする。し尿処理施設および浄化槽汚泥処理施設は老朽化を理由に廃止とし、新施設に統合。さらに農業集落排水施設などの汚泥も受け入れる。
既存施設を稼働させながら再構築を行うため、解体と建築を繰り返す作業となる。隣接する六供温水プールは25年度までに解体。プール跡地に管理棟などを建設。その後、水処理施設など各設備を順次整備する。
工事は5期に分割。整備計画は◇第1期(25〜27年度)=管理棟◇第2期(28〜30年度)=し尿受入施設◇第3期(31〜37年度)=第1系水処理施設◇第4期(38〜42年度)=汚泥処理施設◇第5期(43〜49年度)=第2系水処理施設−となっている。これら施設整備が完了した後に、既設の第3系水処理施設を解体して完了。1系列分の減少に伴う余剰地は、将来の更新を考慮したスペースとして維持する。