横浜市は国際園芸博覧会(園芸博)の会場に最大13万平方bの庭園や同11万平方b超の展示等施設を整備することを想定している。会場整備の内容などを盛る市の基本計画案を2020年度内にまとめ、今秋以降に設立される開催組織(博覧会協会)へ提案。同組織による会場整備のより具体的な検討に役立ててもらう。22〜23年ごろの設計、24年ごろの工事着手を見込んでいる。
園芸博は旧上瀬谷通信施設(瀬谷区・旭区、約242f)のうち、およそ80〜100fを利用して27年3〜9月に開催。190億〜240億円程度の会場建設費(国、自治体、民間で負担)や1500万人以上の来場を見込んでいる。三菱総合研究所(東京都千代田区)への業務委託を通じて市の基本計画案を練っている。
市は昨年12月21日に開かれた国の有識者会議(横浜国際園芸博覧会具体化検討会)へ市の基本計画案の検討状況を報告。その中で旧上瀬谷通信施設の南東方面を博覧会区域(=約80〜100f)と設定し、庭園や展示関係施設などを置く会場をはじめ、バスターミナルや駐車場などを整備するとした。これに先立ち区域内の造成や上下水道などの整備を土地区画整理事業(22年ごろ〜)、園路広場や植栽などの整備を公園事業(園芸博開催後の公園エリア、23年ごろ〜)で実施する予定でいる。
庭園や展示等施設の想定規模は大阪花博の実績などから見積もった。このうち庭園は▽公式参加(国際出展)庭園=3万〜5万平方b▽国内出展庭園・企業団体出展庭園=6万〜7万平方b▽日本庭園=7000〜1万平方b―で総面積9万7000〜13万平方bを想定。試験植栽圃場や植物ストックヤード、病害虫の検査などのための検疫関連施設、海外からの入荷貨物に対応する保税留置場も設けるとしている。
また、展示等施設は▽民間出展展示施設=1万8000〜2万4000平方b▽運営施設=1万5000〜2万平方b▽屋外催事広場=1万8000平方b▽物販飲食施設=1万6000平方b▽メイン展示施設=1万平方b―などで合計9万7250〜11万5200平方bと想定。環境負荷や建設費の低減・縮減に向け、積極的に多機能複合化やコンパクト化、3R(リデュース・リユース・リサイクル)を図る方針だ。
この他、会場内の移動のためトラムやパーソナルモビリティを導入したり、電力の全てを再生可能エネルギーで得たりすることなども考えている。
提供:建通新聞社