京都市は12月28日、公募型プロポーザル方式(総合評価方式)で選定を進めていた元京都社会福祉会館の活用に係る契約候補事業者について、潟Iープンハウス(代表取締役社長荒井正昭氏、東京都千代田区丸の内2丁目4−1丸の内ビルディング12F)に決定したと発表した。今後2月以降に契約締結、売買代金納入、所有権移転等の登記を予定する。
プロポでは、オープンハウス、住友商事の2社の提案を審査。評価点76・9点(100点満点)のオープンハウスの提案を選定した。
オープンハウスの提案によると、客室70室で定員239人収容の宿泊施設を建設する計画。主な特徴は、▽能舞台、二条城障壁画回廊等の設置による文化振興・発信▽二条城の歴史紹介コーナー、二条城の魅力を伝えるホテルスタッフの育成など二条城の魅力発信や来場者増加の促進▽家具や壁紙などの和風の室礼(しつらい)を中心に内装の材料等の市内の伝統産業品を活用▽お地蔵様(子育地蔵尊)の管理など。
買受希望価格は25億5000万円。市が設定した土地及び建物の予定価格(最低売却価格)は20億9200万円。
選定委員会からの主な講評は「潟Iープンハウスの提案は、上質宿泊施設誘致制度を活用した宿泊施設の開業を目指すものであり、施設そのものを文化や芸術振興等の媒体とし、京都市の文化振興・発信への貢献や、地域のまちづくりとの調和・貢献等を目指す具体的な内容を伴っている」「当該施設の1階には、能舞台や二条城障壁画回廊、二条城の歴史紹介コーナーが設置され、宿泊客に対する文化発信が期待されるだけでなく、能舞台の設置を通じ、地域の子どもが文化芸術に触れる機会や若手芸術家の発表機会が提供され、市民の文化芸術活動の振興を促進する計画となっている」「上記の二条城の障壁画回廊や歴史紹介コーナーの設置に加え、入城クーポン券の提供、二条城の魅力を伝えられるホテルスタッフの育成など、元離宮二条城の魅力発信や来館者の増加を図るうえで実現性のある提案となっている」「100名を超える新規雇用の創出に加え、家具や壁紙などで和風の室礼(しつらい)を打ち出し、内装材料等で市内の伝統産業品の活用を図るなど、地域経済への貢献が一定程度認められる」と評価。付帯意見として「当該施設に設置される能舞台は、プロの演者によるホテル利用者への鑑賞機会の提供だけでなく、能の愛好者が練習・発表の場としても気軽に利用できるよう開放していただきたい。また専門家の指導及び監修を受けながら、設置場所・客席等についても十分に検討いただきたい」「災害時における防災活動拠点としての機能の更なる充実など、地域が抱えている課題の解決に向けてより高い貢献を求めたい」とした。
京都社会福祉会館(上京区猪熊通丸太町下る仲之町519)は、社会福祉法人京都府社会福祉協議会(府社協。京都市中京区)が建物を所有し、京都市が土地を府社協に貸し付けている。
主な建物は事務所・宿泊所として、RC造陸屋根地下1階地上5階建、延4066・95u(地下1階399・53u、1階1166・49u、2階989・23u、3階723・35u、4階723・35u、5階65・00u/昭和44年8月築)。このほか、物置1(W造亜鉛メッキ鋼板葺平屋建、2・80u/建築年不詳)、物置2(W造亜鉛メッキ鋼板葺平屋建、3・44u/建築年不詳)がある。
敷地面積は公簿2975・2u(実測3084・74u)。用途地域は、堀川通から30m超の敷地西側(当該敷地の大部分を占める)が第一種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)で15m第2種高度地区、堀川通から30m以内の敷地東側が商業地域(建ぺい率80%、容積率600%)で15m第4種高度地区。
担当課は京都市保健福祉局健康長寿のまち・京都推進室健康長寿企画課。