松戸市は市役所機能再編整備基本構想案を取りまとめた。今後は、市内在住者などを対象とする2月2日までのパブリックコメントを経て、年度内に基本構想を策定する予定。新たな庁舎の建設地は、新拠点ゾーンに位置付けられている相模台地区約6ha地内。今後は、2021年度に基本計画を策定した後、基本設計へ着手。24年度には実施設計をまとめ、25〜26年度の2か年で建設工事を進める方針としている。事業費は、延べ床面積3万uとした場合の施設建設費約129億円、130台の地下駐車場整備費約26億円、8799uの土地取得費約27億円。
現庁舎は、根本387―5ほかの本庁舎敷地約1・5万haに本館、新館、議会棟、別館が位置しているほか、敷地外に分庁舎が5棟ある。
本館は建築後60年以上、また新館は同50年以上を経過。適切な維持管理、設備改修などを行っているが、建物本体の劣化が著しく、業務に支障を及ぼしかねない状況にある。さらに、市役所施設の分散化・狭あい化による市民サービスの低下、バリアフリーの対応不足、耐震性能の不足、災害対応機能としての立地が課題となっている。
17年2月には、議員全員説明会を実施。移転建て替えによる耐震性の確保および市民サービス向上が望ましいとした。19年5月からは基本構想の検討に着手し、有識者との懇話会、庁内ワーキングチーム、ワークショップなどにより市役所機能再編整備の基本的な考え方を整理した。
関連して、18年3月に新拠点ゾーン整備基本構想、19年4月には公共施設再編整備基本計画をまとめた。また、早ければ月内に新拠点ゾーン整備基本計画を策定する。
公共施設再編整備基本計画で、市役所庁舎について、機能の維持を基本として新拠点ゾーンの検討に合わせて更新と機能集約を図ることとした。
新拠点ゾーンに関しては、新拠点ゾーン整備基本構想において、松戸駅周辺の老朽化した文化施設の再編と庁舎の移転により、多世代・多様な市民が交流し、多彩な市民活動・文化活動を創り出し発信する中心拠点を形成するとともに、大規模災害の発生に備えた災害対策機能を充実させる方針を掲げた。
新拠点ゾーン整備基本計画では、新拠点ゾーンをついて具体化する。
市役所機能再編整備基本構想案では市役所機能の立地について、関連計画などを踏まえ、災害対応拠点、まちづくり、事業スケジュール、市民サービス、事業収支・効果のいずれの視点においても現庁舎敷地より優れている新拠点ゾーンが最適との考えを示している。
事業収支として▽収入=庁舎建設基金約75億円、国庫補助金約5億円、現庁舎跡地の売却(撤去費差し引き後)約35億円、30年間の民間ビルの借り上げ賃料削減額約51億円、新庁舎省エネ化による30年間の光熱費削減額約18億円▽支出=施設建設費約129億円、地下駐車場整備費約26億円、土地取得費約27億円――を算出。さらに、現庁舎跡地の売却による民間開発や新拠点ゾーンにおける建設投資などの波及効果により、30年間で約55億円の税収効果が期待できるとした。
施設規模については、必要な機能を踏まえ、現庁舎の施設規模を基準とし、事業方式を含めて検討を進めていく。
本庁舎敷地内にある現庁舎の概要は次の通り。
▽本館=RC造地下1階地上3階建て、建築面積1141・07u、延べ床面積3683・63u、高さ20・5m、1959年5月6日竣工
▽新館=SRC造地下1階地上10階建て、建築面積1617・8u、延べ床面積1万1894・45u、高さ44・9m、69年5月31日第1期竣工、70年5月31日第2期竣工
▽議会棟=SRC造地下1階地上4階建て、建築面積981u、延べ床面積3868u、高さ22・6m、78年10月31日竣工
▽別館=RC造地下2階地上4階建て、建築面積662・58u、延べ床面積3759・52u、高さ20・2m、83年1月31日竣工