2025年日本国際博覧会協会(万博協会)は、大阪・関西万博の施設整備計画や整備スケジュールなどを記した「万博基本計画」を公表した。会場面積は155fで、会場中心部にパビリオンエリアを設け、南側には水面、西側には緑地を配置。パビリオンなどは20年度末から設計に着手し、23年度から工事を実施する予定だ。会場建設費は総額で1850億円を見込む。
基本計画によると、中央部分をパビリオンワールド(65・7f)、南側をウォーターワールド(47f)、西側をグリーンワールド(42・9f)とし、大きく三つのゾーンに分けて整備を進める。
パビリオンワールドには、参加国のパビリオンや政府館、自治体館の他、飲食・物販施設、管理施設などを整備。
パビリオンはタイプA(50区画、敷地面積9万2500平方b、敷地渡し)、B(30区画、敷地面積1万7500平方b、建物渡し・延べ1万1700平方b)、C(7区画、敷地面積1万6700平方b、建物渡し・延べ1万1400平方b)の3パターン。この他に▽国際機関(5区画、敷地面積7100平方b、建物延べ4800平方b)▽テーマ館(8区画、敷地面積1万3300平方b、建物延べ床面積未定)▽民間パビリオン(9区画、敷地面積3万1500平方b、敷地渡し)▽催事施設・メッセ・ギャラリー(敷地面積2万4100平方b、建物延べ1万4000平方b)▽飲食・物販施設(敷地面積2万7700平方b、建物延べ床面積2万6000平方b)▽管理施設など(敷地面積7万4700平方b、建物延べ6万5700平方b)―などを配置する(面積はいずれも想定)。
中央部分にはメインストリートから離れた場所に「静けさの森」を設置し、ゆっくりと休憩できるスペースを作る。メインストリートはリング状に整備し、上部には南側のウォーターワールドに張り出す形で大屋根を設置する。大屋根は来場者から雨や日差しから守る機能を持つ他、空中歩廊として散策することもできる。
グリーンワールドには、緑地エリアや屋外イベント広場を整備する他、「空飛ぶクルマ」の離発着ポートを設置する予定。ただ、敷地内には民間事業者が運営する太陽光発電施設(約18f)が既存している。
この他、ウォーターワールドでは、来場者が水に触れることができる広場の設置などを予定している。
会場整備スケジュールでは、パビリオンやテーマ館、営業施設、迎賓館などの建築物はおおむね21〜22年度に設計、23〜24年度に施工する。会場内のインフラ整備は22年度までに設計(玉野総合コンサルタント・日本工営JVが担当)を完了し、22〜24年度で工事を行う予定だ。
会場建設費は、施設整備費1180億円、基盤・インフラ整備費670億円の計1850億円。当初計画では1250億円だったが、大屋根の建設費用や暑熱対策費用などで600億円増額した。
提供:建通新聞社