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建設新聞社(長崎)
2021/01/05

【長崎】鰍i―LINE 自動飛散防止シートシステム『J―LINESHEET』を開発

小さな町から美しい未来を
    山口二朗代表取締役に聞くJ−LINESHEETを取り付けたようす

 きっかけは、発注者からの要望だった。「残土運搬のダンプにシートを掛けてほしい」。飛散防止のための、ごく一般的な要望だ。
しかし、シートを掛ける〞この作業には、作業効率や運搬回数の減少・安全面など様々な課題が発生する。そこで、潟с}ブルの山口二朗代表取締役(長崎県東彼杵郡波佐見町)は一念発起。自社の整備工場で幾度も試行錯誤を重ね、安全と効率アップを兼ね備えた製品開発に取り組み、自動飛散防止シートシステム〞を開発。昨年、鰍i- LINE(同町)を設立し、J- LINESHEETを販売開始した。製造・販売、さらなる製品開発に取り組む山口社長に話を聞いた。

―現状を打破するためJ―LINESHEETを開発

 飛散防止対策は、高い積載物の上でシートを掛ける作業のため、転落事故の恐れがあります。対策も大事だが、労働者を守らないと。また、作業効率も落としてはいけないと考え、簡単な図面を描いて潟с}ブルの工場長へ「こんなの出来ないか」と相談し開発に乗り出しました。それが6〜7年前の事で、そこからはいろいろな素材で試行錯誤。J- LINESHEETのメッシュシートはもちろん、シャフト(ポール)やブラケットの部材は、強度と軽さのバランス、耐久性を確保するのに苦労しました。部材は、亜鉛メッキ加工に粉体塗装を施し錆びないものとし、ほぼ全ての大型ダンプの飛散防止装置(コボレーンなど)に簡単に取り付け可能です。コボレーンの開閉ボタン一つで操作できるため、シート掛けの手間や危険性を解消。過積載への抑止効果もあり、シートがきちんと閉じている状態が一目で判断できるものとなっています。ホームページで取付動画公開中

―製造・販売・運送体制の確立

 J- LINESHEETは昨年9月に、特許庁実用新案登録第3228274号に登録。三菱ふそうトラック・バス鰍笂野自動車鰍ネどの紹介を通して、全国各地から問合せをいただいています。また、有田工業梶i諫早市)から製造オファーをいただき、製造・亜鉛メッキ加工・粉体塗装までの全てをお任せしています。さらに、佐川急便率いる物流の最適化チームGOAL〞の提案により、製造後は、佐川グローバルロジスティクス梶i福岡県)に運送。商品の保管から梱包、出荷業務までを一貫して行うことで、手間なく全国へ発送できる体制を整えました。

―多くの現場で採用・好評の声

 現在、このJ- LINESHEETは多くの建設現場で活用されています。このうち、西日本高速道路葛繽B支社佐世保工事事務所が行う西九州自動車道(佐々IC〜佐世保大塔IC間)4車線化事業における、佐世保道路弓張トンネル工事では、受注者の五洋建設梶E兜s動テトラJVが採用。下請業者の葛サ南商工(佐世保市)の土砂運搬ダンプ約􏇭台に活用され、現場管理者から「安全面の向上、飛散・飛沫防止、作業効率化・人件費削減にものすごく効果
があった」と喜びの声をいただきました。今後、本格化する掘削工事でもその効果が期待されています。

―今後の展望

 まだまだ、J- LINESHEETを使えない現場があります。例えば、熱を持つアスファルト合材の運搬。現在、現場では合材をヤシを編んだようなシートで覆い、保温シートを被せています。つまり、シートを2回掛けるわけです。特に、アスファルト合材の運搬や工事は夜間が多く、墜落の危険性が高い。そういった現場に対応するため、新たなシートの開発に取り組んでいます。難しい挑戦ですが、保温性を持ち、なおかつ軽い素材で作りたい。当社では、
研究や実証を幾度も重ねサンプルを製作。且R口組(佐世保市)や西部道路梶i同)などの協力を得て、実際にアスファルト合材に適用できるか実証試験を行っているところです。さらに、建設業界へ向け、今までになかったような画期的な商品も開発中。そういったアイデアや研究などに挑戦できるのは、全て現場の声があってこそ。今後も現場の声に耳を傾け、あらゆるニーズに応えていきたい。山口社長


【やまぐち・じろう】
 潟с}ブル、潟潟vロの代表を務め、建設現場で下請け工事を長年にわたり受注。「これからの建設現場に必要なアイテムになる」と確信しJ-LINESHEETを開発、開-LINEを設立した。1963年9月2日、長崎県生まれ。

ksrogo