名古屋市上下水道局は、名古屋駅地区を対象とする水位周知下水道の指定に向けた準備として、江川幹線内に水位計を設置する。2021年度に稼働させて、内水氾濫の恐れがある場合の情報提供手法の検証などを行う考えだ。ハザードマップの改訂作業を踏まえて、他地区での必要性の有無を判断していく見通し。
水位周知下水道は、ゲリラ豪雨により内水氾濫が想定される場合、早期に水防管理者に通知して避難行動などを促す制度。15年の水防法改正で新設されている。市では、不特定多数の人が出入りする地下街を優先すべきとし、初弾に名古屋駅地区を想定してこれまで水位調査などを実施。10カ所程度に仮設の水位計を設置して効果を検証、本設の水位計を設置する名駅地区の代表的な幹線として江川幹線を選定した。泥江町交差点付近に水位計を設置する。工事は第4四半期に指名競争で発注する。工期は6カ月間。
名古屋駅地区の西側に設置するかどうかは今後決めていく見通し。
水位周知下水道の指定にあたっては、地域防災計画に位置付けることが必要。21年度の試行を踏まえて、22年度以降の計画改訂に向けた準備が見込まれる。
市では、想定最大規模のハザードマップ作成に向けて準備を進めている。市内の地下街は、他に栄地区、伏見地区、金山地区がある。想定最大規模の浸水状況結果を踏まえて、他地下街を対象とするかどうか考えていく見通しだ。
提供:建通新聞社