京都府はこのほど、令和3年度当初予算案の編成方針を明らかにした。
令和3年度においては、引き続き新型コロナウイルスの感染拡大の防止と経済の回復を両立していくとともに、西脇府政3回目の当初予算として、総合計画に掲げた将来像の実現に向けた取組をさらに加速させていく考え。
重点推進分野は「子育て」「府民躍動」「文化振興」「産業振興」「安心・安全」「地域づくり」。安心して子育てできる環境づくりを進め、子育て環境日本一に向けた取組を加速。多様な働き方やワーク・ライフ・バランスの取組の流れを更に進めることで、多様な人材が社会参画・活躍できる社会の実現を目指す。また人生100年時代に対応した支援拠点の創設や安心できる介護・福祉の実現などに取り組む。令和4年度中の文化庁移転に向けた準備を着実に進めるとともに、京都文化をしっかりと維持・継承し、京都の文化資源を地域の活性化につなげていく。京都経済の回復を最重点に進めるとともに、コロナ禍を契機に時代が大きく変化する中で、顕在化している社会課題に対応する持続的な産業づくりを目指し、農林水産業から商工業までが業種の枠を超えて対応する仕組みづくりを行う。災害や犯罪等から府民の命と財産を守るため、ICT等を活用したハード・ソフト一体となった最先端の危機管理・安心安全体制を構築。防災・減災対策の推進など頻発・激甚化する自然災害への対応力を強化するとともに、気候危機に対応した緩和策と適応策からなる環境施策を展開する。文化、観光、産業の融合や多様な主体の連携・協働を進めることにより地域に新しい価値を創出し、更にその魅力を高めて持続可能な住みやすい地域づくりを進める。
令和3年度当初予算をコロナ禍の経験を踏まえた変革期と捉え、長期的視点に立ち、長年の継続事業や令和2年度の執行をやむを得ず見送った事業はもとより、全ての事業について、WITHコロナ・POSTコロナ社会にふさわしいか検証し、思い切った見直しや廃止を行い、限りある経営資源を合理的に配分し、これまでにも増して効率的な行財政運営に取り組む。
府税収入は、新型コロナ感染症の長期化による企業収益の減少や消費活動の落ち込みから、令和3年度は減少すると見込むが、影響を最小限にとどめるため、企業等の立地促進や民間投資を呼び込む公共投資、収益や所得の向上に結びつく生産性向上・人材育成などにより税源涵養を図るとともに、京都地方税機構と連携した府税徴収率の更なる向上などにより府税収入の確保に努める。
補正予算も含め国予算の動向を把握し、最大限国庫補助金等特定財源を確保できるよう、事業スキームの構築を工夫する。また広告料収入の確保、ふるさと納税制度の更なる活用、クラウドファンディングなど寄付を促進する新たな取組の検討のほか、低・未利用資産の売却も含めた利活用等により、自主財源の確保に取り組む。
令和3年度当初予算において、引き続き投資的経費の地方負担額に充当する地方債について、公共施設等適正管理推進事業債など、後年度に交付税措置のある有利な地方債を可能な限り活用しつつ、投資と負担のバランス等に留意しながら、府債残高の適正な管理に努める。
組織編成の基本方針では、新型コロナ感染症対策をはじめとする喫緊の行政課題に迅速・的確に対応するとともに、WITHコロナ・POSTコロナ社会を見据えた新しい京都づくりを推進できる執行体制の整備に向け、必要な見直しを図る。