高岡地区生コンクリート協同組合(高岡市本町2番1号、小原紀久雄理事長)は、生コンクリート取引価格について、21年4月1日出荷分から、1立方メートル当たりで1500円値上げすることを発表した。
昨今の生コン業界を取り巻く環境は、公共事業の削減に加え、民間設備投資の減少により、需要が大きく落ち込んでいる。同組合の出荷量は、14(平成26)年度に約24万立方メートルを確保していたが、19(令和元)年度には約12万立方メートル弱となり、5年間で5割強の減少を示している。
組合では、09年度の生コン価格改定後、組合員が積極的に工場の集約化に取り組むとともに、製造コストの削減に努め、原材料・運賃の値上げなどがある中で、値上げを行わず今日まで維持してきた。
しかし、想像以上の出荷量の減少と原材料・輸送費の上昇、製造設備の更新などでコストアップ要因が山積みする中にあって、従業員の高齢化が進み、世代交代も必要であり、従来の価格で維持することが困難な状況となった。
これらの背景を踏まえ、生コンクリートの価格について、複数年にわたる値上げに踏み切る方針を固めた。
組合では、「生コン業界が直面している、非常事態ともいうべき状況を認識していただき、今後とも適正で高品質な生コンクリートの安定供給と、安全・確実な運送の維持を確保するためにも、ご理解をお願いしたい」としている。
なお、同組合の生産工場は、▽北陸宇部コンクリート工業▽呉西生コン▽高岡中央生コン新生工場▽高岡中央生コン高岡工場▽氷見生コン―の5施設。