建通新聞社(東京)
2020/12/07
【東京】都 KK線の接続方法検討へ
東京都都市整備局は、歩行者中心の公共空間に用途転換する東京高速道路(KK線)について、周辺のまちづくりとの連携を踏まえた地上や歩行者デッキとの接続方法の検討を始める。首都高の地下化に伴う連結路の再整備案や、汐留や銀座エリア周辺にある歩行者デッキとの接続、中央区が進める首都高築地川区間周辺の緑化計画などの土地利用方法を踏まえ、KK線周辺に広域的な歩行者ネットワークを作り出す。
KK線は、高架施設の上部を無料の自動車専用道路(高速道路)として活用している。区間は、中央区銀座8丁目(蓬莱橋)〜銀座1丁目(新京橋)の総延長約2`。現在は首都高速道路八重洲線と接続しているが、将来的な首都高日本橋区間の地下化に併せて、八重洲線の別線としてKK線の下に新たにトンネルを整備する計画がある。実現すると、KK線は自動車専用道路としての役割が低下するため、KK線を廃止し、高架施設の上部を開放的な緑豊かな歩行者空間とする計画だ。
これに伴い、KK線と首都高の連結路の再整備案を3案程度まとめる。また、その案を実現するための事業手法、事業者、既存施設の現在の管理者・将来管理者、費用負担方法などの観点から事業スキームを5パターン程度挙げ、比較検討する。
都の「東京高速道路(KK線)の既存施設のあり方検討会」が11月にまとめた案では、KK線の歩行者中心空間への用途転換を実現するための留意事項の一つに、「広域的な回遊性を高める観点からの周辺歩行者ネットワークの接続の仕方」を盛り込んでいる。
KK線だけでなく、地域としての回遊性を高めるため、汐留の歩行者デッキや銀座地区地下通路などの既存の歩行者ネットワークとKK線の接続案を検討する。検討に当たっては、新たに設置する接続施設の位置、種別を整理し、図面にまとめる。
加えて、2019年9月に中央区が策定した築地川アメニティ整備構想とも連携したまちづくりを進めたい考え。同構想は、銀座と築地を分断している首都高速道路築地川区間(掘割区間)に蓋をして上部空間を緑化することで、まちをつなぎ、快適・良好な新たな都市空間を創出する計画。KK線と2カ所程度で接続することを見越して事業手法を整理する。
広域的な歩行者ネットワークに関する調査・検討業務は12月25日に希望制指名競争入札を開札し、委託先を決める。納期は21年3月まで。
提供:建通新聞社