島根原発の災害時に備えた原子力防災支援拠点が鳥取市松原に整備される。県危機管理局は防災資機材を保管する倉庫を2021年度に建設着手するため、実施設計費など盛り込んだ委託費2100万円の補正予算案を開会中の11月県議会に提出した。
防災支援拠点を整備するのは、山陰道・吉岡温泉IC近くの旧東部健康増進センターテニスコート跡4700平方b。島根原発から半径30`圏の地域UPZ(緊急時防護措置区域)外に位置し、緊急時の輸送に優れた県有地を選定した。計画地にはすでに放射線測定器をはじめとする検査資機材や、空圧洗浄機といった防災資機材が詰まったコンテナを仮置きしている。
施設の計画規模は、鉄骨造平屋建て726平方b(22b×33b)。20ftコンテナ2基と10ftコンテナ18基を格納できる保管倉庫を建設する。
県危機管理局から事業を受託した県営繕課によると、現地では鳥取市による埋蔵文化財の試掘が必要なため、実施設計は「11月補正」後の年明け以降に発注したいと説明。追って地質調査など現地調査も発注する。委託費は実施設計690万円、地質調査1100万円、測量費240万円を見込んだ。
建設費用の概算について、同課は「実施設計の段階で固める」と話しており、建物構造を決めて見積もりし、来年「6月補正」に工事費を要求。その後、来秋にかけて工事発注する。
日刊建設工業新聞