日本工業経済新聞社(群馬)
2020/11/30
【群馬】前橋市が力丸工業団地で実施設計
前橋市は力丸工業団地の汚染処理で県流域下水道への接続に向けて、実施設計に着手する。12月補正予算案に事業費を盛り込んでおり、早ければ成立直後の年末までに公告または指名通知を行い、2021年度中にまとめる。県とは、不明水対策を講じることを条件に、接続する方向で調整中。不明水対策工事にも取り組みつつ、22年度以降に接続工事を発注するながれ。発注は市が担当する。全体の概算経費は既存施設解体を含め4億円となっている。
力丸工業団地の汚水は処理施設があるものの、老朽化が著しいことから、18年度に廃止へ向けた調査をスタート。県流域下水道への接続を目指して、県との協議を進めてきた。不明水対策を万全にすることを条件に、接続する方向で調整が進んでいる。
同団地は1975年に造成した約22 haの工業団地。現在は32事業者が立地しているが、有害物を排出する特定事業者はない。既存の汚水処理施設は74年に建設。完成より45年を経て、施設本体や機械設備などが劣化している。不測の稼働停止も危惧されており、県流域下水道への接続は急務となっていた。
−2018年度の流量調査や既設管内カメラ調査などはフジピットサービス(前橋市)、調査結果の検討業務はオウギ工設(前橋市)が担当している。年末にも発注する実施設計は流域下水道への接続に関するもの。12月補正予算案で、同業務委託料732万円を計上。加えて、21年度を期間とする債務負担行為も設定。限度額は1708万円となっている。委託方法は明らかにしていないが、早ければ年末までに公告か指名通知する見通し。21年度中にまとめ、県との協議や不明水対策の状況を考慮しつつ、22年度にも着工する方針。
接続工事の概算事業費は2億4900万円。処理施設解体や既設圧送管撤去などで1億3600万円を見込む。残る1500万円は調査費となる。先行して接続工事を実施する。既存施設の解体などの実施時期は、接続完了後に調整。解体後の土地利用方法は今後の検討事項となっている。