東京都福祉保健局は、北区にある北療育医療センターの整備方針を検討する。敷地内にある3棟の建物はいずれも築後34年が経過し、設備を含めて老朽化が進んでいる。これまでに実施した劣化度診断調査や大規模修繕改修の検討結果などを踏まえ、改修と改築を比較。基本計画の策定に備えて整備手法を絞る。
北療育医療センター(北区十条台1ノ2ノ3、敷地面積1万6721平方b)は、障害を抱える人が地域の中で安心して暮らせるよう支援する総合医療療育施設。1985年3月に完成した。
施設機能は療育部門(医療型障害児入所・療養介護、医療型児童発達支援センターなど)と医療部門(入院50床、外来1日当たり200人)を備える。
敷地内の建物は、▽A棟(鉄筋コンクリート造地下1階地上2階建て延べ7823平方b)▽B棟(同造2階建て延べ4067平方b)▽C棟(同造5階建て延べ1150平方b)―をメインに、バス車庫やプール、プール付属棟、守衛室で構成する。
2006〜08年に大規模改修工事を実施したものの、設備の基幹部分は改修しなかったため随所で経年劣化が進行しているという。
そこで、17年度に劣化度診断調査を、18年度には大規模修繕工事に向けた調査を行った。基幹設備の更新を軸とした大規模改修を想定し、改修の範囲や方法を検討した。
これらの結果を基に、改修と改築を比較し、工事工程やスケジュールを含めた整備方針を決める。
整備方針の調査業務は希望制指名競争入札を12月18日に開札して委託先を決め、21年3月までに成果をまとめる。
改築を選んだ場合は、改築候補地を挙げるとともに、諸課題を整理する。一方、大規模修繕を実施する際には、敷地内の一部建物(1棟)を解体し、跡地に新棟を建設した上で、この建物を活用してローリングしながらの大規模改修工事を想定。施設を運営しながらの工事になるため、施設利用者の障害特性を考慮する必要があることや、工事期間中の利用居住者空間の確保などを踏まえて改修範囲と手法、概算費用を考える。
提供:建通新聞社