県農政水産部農村振興課は、19年度〜28年度の10年間を期間とした「滋賀県ため池中長期整備計画」について、対策が必要なため池数など見直しを行い、改定した。
計画期間内で対策を講じるため池として、前期計画となる19〜21年度に整備するため池数を127ヵ所から280ヵ所に変更、中期にあたる22〜24年度は19ヵ所から84ヵ所に、後期の25〜28年度は11ヵ所から42ヵ所へと改定した。
対象となる地域と総事業費は次の通り。
【前期(19〜21年度)】
▽大津・南部地域89ヵ所、甲賀地域39ヵ所、東近江地域66ヵ所、湖東地域51ヵ所、湖北地域31ヵ所、高島地域4ヵ所の計280ヵ所。総事業費は約22億円。
【中期(22〜24年度)】
▽大津・南部地域9ヵ所、甲賀地域27ヵ所、東近江地域26ヵ所、湖東地域8ヵ所、湖北地域14ヵ所、高島地域0ヵ所の計84ヵ所。総事業費は約24億円。
【後期(25〜28年度)】
▽大津・南部地域7ヵ所、甲賀地域2ヵ所、東近江地域6ヵ所、湖東地域8ヵ所、湖北地域11ヵ所、高島地域8ヵ所の計42ヵ所。総事業費は約59億円。
県では、ため池整備の重要度(安全度)の考え方をもとに選定した、今後10ヵ年で対策を講じるため池の箇所数を整理。講じる対策とは、ため池整備(事業計画策定、実施設計、整備工事)、ため池ハザードマップの整備、廃池対策など調査・検討を想定している。そのなかで今回、改定した整備するため池数343ヵ所(※期別のため池数は、1ヵ所で異なる事業を複数期で実施するため全体数と合致しない)で10年間で総事業費合計約105億円を見込んでいる。
また、取り掛かっていく防災対策は、改修・補強対策として、耐震対策に提体の改修・補強、液状化等を実施。豪雨対策に提体、洪水吐、取水施設など改修。そのほかに特定農業用ため池の指定、ため池の廃止については、提体の一部掘削等によりため池を廃止する。減災対策としては、ため池ハザードマップの整備として、下流域に与える影響が大きい防災重点ため池から優先して作成し公表。ため池マップの整備は、市町単位を基本に、防災重点ため池の位置や基礎情報記載したマップを作成し公表。洪水調整機能付与及び事前放流については、洪水や豪雨に備えて、事前放流や低水管理を行う取組み―など、今回の改定する部分も踏まえて事業を図っていく。
提供:滋賀産業新聞