新たな総合体育館整備に向け県は25日、第1回基本構想検討委員会を鹿児島市のホテルウェルビューかごしまで開催した。まず、2021年2月上旬に県外の先行事例調査を実施。来年度に入り、需要予測調査結果から施設の機能、規模・構成等の検討に入り、同年8月下旬から11月上旬までに複数の中から整備予定地(案)を決める。22年1月下旬以降、パブリックコメント手続きを行う。21年度は5回程度の開催を見込む。
先進事例調査は、武蔵野の森総合スポーツプラザや高崎アリーナなど4カ所の候補を挙げたが、委員から有明アリーナ等の提案があり、今後、2カ所程度に絞り込む。
21年度からの進め方(5回程度開催)は、スポーツ振興と多目的利用の視点から両機能のベストミックスを検討して、アリーナ・観客席など、施設の規模・構成等のコンセプトをまず固める。
その後、各候補地の特長や課題等を分析して、複数の整備予定地の中から選定して予定地案を決定。22年1月下旬の基本構想(案)の知事提出後、パブリックコメント手続きと県議会における論議を経て決定する。
これまでの整備検討対象地は、ドルフィンポート跡地や県工業試験場跡地、県庁東側の土地、県農業試験場跡地の4カ所。
需要予測調査はみずほ総合研究所に委託しており、施設建設の成功のカギを握る稼働率のシミュレーションも検討・分析を行い、21年5月中旬の委員会の資料とする。
塩田康一知事は「現体育館は建設後60年以上が経過して老朽化に加え、全国・国際レベルの大会開催には狭あいな状態。整備に向けた取り組みを着実に進めたい」と話した。
委員からは「アフターコロナを見据え、空調衛生、動線、情報ネットワークをしっかり考える必要がある」「プロスポーツ(興業)と中高生の施設概念が違う。どちらを重視するか考えないといけない」−などの意見が出た。
なお、委員長には鹿児島大学法文学部法経社会学科の石塚孔信教授を選任。「将来ビジョンやコストの考え方など落としどころを模索していきたい」と感想を寄せた。