県安房農業事務所は、広域営農団地農業整備事業の安房2期地区について、事業期間の最終年度となる2021年度までに事業の完了が見込めないため、期間の延長を協議している。18年度から実施している1号トンネルの工事が21年度中の完成見込みのため、国道127号から県道犬館山線までの区間について集中的に工事を行い、22年度中の供用開始を目指し、その後、5号トンネルのある区間について事業の進捗を図りたい意向。
同地区の進捗率(事業費ベース)は19年度末で約44・9%。本年度は、事業費6億9200万円を投入し1号トンネルの工事進捗を図っている。5号トンネルについては、既存トンネルの南側に新設する方向で検討している。
広域農道安房2期地区は、安房地区全体の総延長7295mのうち、09年度に完了した4078mを除く延長3217mについて、地方創生道整備交付金を活用して整備を進めている。事業期間は07年度から21年度まで。総事業費は48億700万円を見込む。
来年度の完成を目指している1号トンネルは、南房総市南無谷地先でJR内房線を横断する。規模は延長約27・2m、幅員9・17m。HEP&JES工法を採用。詳細設計をジェイアール東日本コンサルタンツ(東京都豊島区西池袋1―11―1)が担当し、鉄建建設が施工している。
5号トンネルは、基本設計を完了しているが、用地交渉が難航。当初は既存の中尾沢隧道の活用を予定していたが、地元からの要望もあり、既存のトンネルを使用しながら整備できる新設の方向で検討している。新設する場合は、既存トンネルの南側に整備する方向で検討している。
広域農道安房地区は、国道127号から主要地方道富津館山線までの総延長約7295mを整備する計画。事業が長期化したことから、1期地区と2期地区に分割。1期地区4078mは1995〜2009年度に事業を実施し、完了。現在、2期地区3217mの整備を進めている。安房地区全体の事業費は135億4100万円を見込み、事業の進捗率(事業費ベース)は19年度末で約80・4%。
同地区ではトンネルとして1〜7号までの7か所が計画され、このうち1、5号トンネルを除く5か所が完成している。施工者は、2号トンネルが鴻池組(7億8800万円)、3号トンネルが十文字土木(7億7909万3000円)、4号トンネルが竹中・古谷JV(5億780万円)、6号トンネルが間・飛島・阿部建設JV(18億9000万円)、7号トンネルが大林組・十文字土木JV(6億6700万円)。