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北陸工業新聞社
2020/11/24

【福井】「環境にやさしい」はもう古い/行政と県民力を合わせともにつくる発想へ/将来ビジョンで委員指摘/第3回福井の道づくり懇話会

 福井の道づくり懇話会(南保勝座長)の第3回会議が18日開かれ、道路の将来ビジョンの骨子案をめぐり、委員から、新時代にふさわしい意見が相次ぎ、内容を深めあった=写真。会場は、福井市宝永3丁目の県国際交流会館で。
 豊かな景観・環境の創生へ、地球温暖化など気候変動に対応した「環境にやさしい道づくり」について、この表現は「人間と環境を分けへだて、人間の方が環境よりも上位にある印象で、もう古い」と指摘。「人間も環境の一部であり、生かされている視点が大切」と、新時代にふさわしい、より的確な表現を求めた。
 このほか、全体的には多少表現が硬く、災害の「激甚化」は専門的で、一般にはイメージしにくい。道路をつくる側(行政)と、利用する側(県民)とに依然区分けしており、一緒に道(みち)をつくり、育てていく視点が弱いのでは。県民とのコミュニケーションを図った、積極的な情報共有による参画と協働の視点をさらに求めた。
 また、今後のクルマ自体の進化(無人化や、空飛ぶクルマなど)も想定に入れるべき。原子力発電を抱える県特有の道路整備の在りかたも検討が必要(災害制圧道路の拡充)などと積極的な助言や提案がなされた。
 南部座長は、戦後日本のターニングポイントとも軌を一にした新ビジョン策定へ、改めて抱負を示し「福井特有の勤勉や、絆も織り込み、多様な連携が求められる新時代に合致したビジョンにしたい」と締めた。
 なお、第4回は来年1月下旬から2月上旬を予定。事務局の県土木部では、年度末に最終的なまとめを行いたい考え。

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