神奈川県は11月20日、2020年度11月補正予算案などの概要を公表した。21年度当初予算案に計上する予定の建設事業など(一部)を前倒し発注するため、ゼロ県債として過去最大の95億1705万円を設定する方針だ。道路補修や老朽化した水道管の更新など、県民生活に直結する事業について、早期の効果発現を目指す。箇所数は350。この他、県立高校の特別教室へ空調設備を設置するため、繰越明許費12億3568万円を設定する予定。
予算案によると、一般会計に309億2500万円を追加計上し、全会計予算総額を前年度11月比14%増の4兆6333億9300万円とする。このうち一般会計予算は、24・8%増の2兆3419億3700万円となる。
追加額のうち301億2714万円は新型コロナウイルス感染症対策に関する予算。生活福祉資金の特例貸し付けに対する補助などが内容となっている。
ゼロ県債は、年間事業量の平準化の他、事業効果の早期発現、企業活動の活性化などを目的とするもの。1997年度以来、24年連続の設定となる。
県立高校への空調設備設置は、150教室分を前倒し実施するために繰越明許費を設定する。
ゼロ県債の配慮業種別の概要(箇所数、限度額)は次の通り。
■建設業(工事関係)=199カ所、76億4559万円
▽林道改良事業費他―4カ所、1億4765万円(山北町玄倉の林道法面保護工事など)▽道路補修費他―75カ所、22億5000万円(県道61号平塚伊勢原の切削オーバーレイ工など)▽河川修繕費他―23カ所、6億6100万円(境川管理用通路工など)▽高等学校施設整備工事費―3カ所、5億5300万円(磯子工業高校B棟耐震補強・老朽化対策工事など)▽交通安全施設整備費―27カ所、9500万円(藤沢警察署管内の道路標識製作設置工事など)▽老朽配水管リフレッシュ事業費他―67カ所、39億3894万円(基幹管路更新工事3カ所、配水管改良工事50カ所など)
■設計コンサルタント業=46カ所、7億4238万円
▽街路整備費他―19カ所、2億9462万円(横浜藤沢線の発注者支援業務など)▽河川改修事業費他―21カ所、2億3536万円(河内川の発注者支援業務など)▽高等学校施設整備工事設計調査費―6カ所、2億1240万円(光陵高校体育館耐震補強・老朽化対策工事設計など)
■塗装業=28カ所、1億4900万円
▽交通安全施設整備費他―藤沢警察署管内の道路標示塗装業務など
■電気設備業=15カ所、2億4201万円
▽水防情報基盤緊急整備事業費他―5カ所、5393万円(酒匂川水位観測局更新など)▽交通安全施設整備費他―10カ所、1億8808万円(桜木町駅入口交差点交通信号機改良など)
■測量業=26カ所、2億4289万円
▽治山事業費他―7カ所、3389万円(山北町谷ケ渓間縦横断測量など)▽河川修繕費他―19カ所、2億0900万円(目久尻川定期縦横断測量など)
■その他=36カ所、4億9516万円
▽水源林整備事業費他―29カ所、4億1516万円(山北町山市場の森林整備など)▽砂防林事業費他―7カ所、8000万円(湘南海岸砂防林保護育成工など)
提供:建通新聞社