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北陸工業新聞社
2020/11/17

【福井】足羽川ダム本体、待望の着工/洪水調節専用では国内最大級/近畿整備局/起工式に元住民ら150人

 足羽川ダム本体建設工事起工式(主催 近畿地方整備局)は15日、池田町小畑の現地で開催された。行政関係者や施工関係者、元住民を含めた地元関係者ら約150人が参加する中、国内最大級となる洪水調節専用流水型ダムの待望の着工を盛大に祝った。
 式典ではまず、井上智夫国土交通省水管理・国土保全局長が「ここ数年、全国的な水害や大規模な土砂災害が発生しており、災害を未然に防ぐ、事前防災対策が極めて重要となっている。一日も早い完成を目指し、みなさまの期待に応えられるよう、安全に留意しながらしっかりと取り組んでいきたい」と式辞を述べた。
 続いて杉本達治福井県知事が「県が予備調査に着手したのは、昭和43年(1968年)で半世紀以上前。その後、福井豪雨を経て、06年に国、県、池田町とダム建設の基本協定を結ばせていただいた。今後も地元の池田町関係住民の生活再建・振興に、全力を尽くしていく」と決意を新たにした。
 また、足羽川ダムの流域市町を代表し東村新一福井市長が「ダム建設事業を受入れ、家屋の移転を了承いただいた住民の方々をはじめ、池田町のみなさまのご理解、ご協力に心から感謝申し上げる。ダムの完成は、流域住民の命と財産を守り、安全・安心な生活の実現のため、必要不可欠。1日も早い完成を願っている」と期待を込めた。
 池田町の杉本博文町長は「住民の苦渋の決断とともに、今日の節目の日を迎えることができた。いよいよ足羽川ダム事業は、核心の部分に入ることとなった。すべての工事の安全で円滑な進捗を祈念している」とあいさつした。
 その後、山崎正昭参議院議員、高木毅衆議院議員、稲田朋美衆議院議員、山本拓衆議院議員、滝波宏文参議院議員、足立敏之参議院議員がそれぞれ祝辞を述べ、櫻井寿之近畿地方整備局足羽川ダム工事事務所長による事業経過報告も行われた。
 また、下流からのメッセージとして、福井豪雨が発生した98年生まれの羽水高校1年、須方海咲さんが感謝の気持ちを語った。
 足羽川ダムは、堤高約96メートル、堤頂長約351メートルの重力式コンクリートダム=完成イメージ=で、洪水調節容量は約2820万立方メートル。総事業費は約1300億円で、26年度の完成を目指している。
 洪水調節専用の流水型ダムで、平常時は水を貯めず、洪水時に一時的に水を貯め、下流河川の洪水被害を低減する。平常時は水を貯めず普通の川の状態が維持されるため、ダム上下流において水質が維持され、土砂も流水とともに下流に流されていく。
 本体建設(第1期)工事は、清水建設・大林組JVが担当する。

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