近江八幡市は、老朽化が進んでいる市立安土小学校(安土町常楽寺456)について、年度内に移転新築か現地大規模改修のどちらかの整備手法を採用するために、地域住民を含む関係者らで構成している「安土小学校整備地選定委員会」に対し12月までに建設地案の提出を求める方針だ。
提出後は、市で内容精査し年度内の選定地・整備手法を決定・公表する方針だ。その後については、整備手法によって予算・整備スケジュールが大きく変わることから、適正な時期に予算を確保し、順次工事を発注していく考えだ。
それぞれの案の内容を見ると、移転新築案は、建設地を安土町常楽寺地先の県道安土西生来線沿いにある現況農地とし、敷地面積は約2万8000平方bを見込んでいる。仮整備スケジュールは、▽用地測量▽農地転用▽用地買収▽基本・実施設計▽工事―などを6ヵ年程度で完了を目指すと想定している。関連して、市は昨年6月に整備候補地選定調査を国際航業且賀営業所(大津市)に業務委託済み。▽安土小学校の現状と課題の把握▽候補地の現状と課題の把握▽候補地の諸条件(通学動線・敷地規模・周辺環境等)の調査▽地質調査▽建替基本構想の検討▽コミュニティセンターとの一体整備の検討▽概算事業費の算定▽比較案の評価―などの調査を実施・完了させている。
現地大規模改修工事案は、耐補強が必要な校舎棟の耐震補強工事と児童数増加により教室数の不足や市内他校と比較し校庭が狭い等の課題解消に向け、一部増築工事を行う。同小学校の敷地面積は約1万7000平方bで、校舎は最も古い棟は69年度(昭和44年度)に建設、93〜95年度(平成5〜7年度)に大規模改修工事、97年度(平成9年度)に耐震補強工事を行なっているものの、老朽化が進んでおり、抜本的な解決が地域や利用者から求められている。仮整備スケジュールは、▽既存グラウンドに仮設校舎の設置▽基本・実施設計▽対象校舎棟解体▽耐震化工事▽増築工事―などを、5ヵ年程度で完了を目指すと想定。
工事費については、土地購入費・農地の造成工事・水道等のインフラ整備などが必要なため移転新築工事の方が現地大規模改修より約6億円程度事業費の増額が必要と試算されている。
なお、安土小学校の整備については、16年(平成28年)4月に学区内自治会の7割の賛同を得て自治連合から、防災機能を備えた小学校などの教育施設とコミュニティセンターが一体となった『コミュニティエリア』の整備を求める要望が市に提出されている。
提供:滋賀産業新聞