高知県と佐川町は、新たな管理型産業廃棄物最終処分場整備に向けた連携会議を開き、前回の会議で佐川町が示した周辺安全対策や地域振興策の要望内容案について、県が精査・検討した結果をまとめた。このうち長竹川の県管理区間の改修に向けては、施工が必要な箇所に応じ、堰の廃止・統合・可動化を検討、堰の利用がないことを確認すれば、水路への河川水の浸入防止を対応するなど、早期の河川改修に向け取り組んでいく意向を示した。
周辺安全対策では、河川改修の他に、国道33号の整備も挙げている。このうち岩目地交差点の改良については、国道と接続する県道の拡幅計画について検討を進めており、今後は国道を管理する土佐国道事務所と国道を含めた全体計画の協議を進める予定であるとした。また「霧生関隧道」への歩道トンネル整備については、トンネル東側に建設予定の道の駅が完成後、交通状況の変化を見ながら国と連携し必要性を検討する。
町の地域振興策のうち、県実施分では、急傾斜地崩壊対策事業として要望していた竹ノ倉地区と本村東地区について、2021年度に新規事業化予定とした。基準を満たす竹ノ倉地区は国交付金の採択を目指す。
町が実施する地域振興策は、既存の国支援制度を適用し、事業実施に当たり必要な町負担相当分を県から町に支援するとした。主な事業は、道路拡幅や安全対策、道の駅、図書館、公営住宅、海津見公園の整備や長竹公民館新築などがある。
現段階で佐川町が示している周辺安全対策、地域振興策の要望内容案は77事業。このうち地域住民の不安解消に向けた周辺安全対策は17事業、県実施分の地域振興策は8事業、町実施分の地域振興策は52事業となっている。
両者は、11月下旬に開催予定の次回会議を経て、年内の協定書締結を目指す。協定書の骨子案によると、地域振興策に示された事業は、新処分場の建設工事に着手する年度からおおむね10年間で実施するとしている。現時点では、21年度中の新処分場着工を見込んでいる。
提供:建通新聞社