香川県建設産業人材確保・育成検討会(会長・佐藤忍香川大学教授)は、「建設産業の人材の確保・育成に向けた取組指針」の改定案をまとめた。働き方改革の推進や外国人を含めた多様な人材の確保、ICT施工をはじめとした生産性の向上、建設キャリアアップシステム(CCUS)制度の周知・導入を新たな施策として盛り込み、検討会を構成する国や県、建設産業が連携・協力して取り組むことを打ち出した。11月2日に開いた最終の会合での意見を反映し、事務局の県が新たな取り組み方針を年内に策定する。
新たな指針は、現行の方針を踏襲し、施策の基本体系を「若手等の人材確保」「若手等の人材育成」の二つの柱で構成する。
人材確保については、処遇改善として、適正な賃金水準の確保やダンピング対策の強化、週休2日制など休暇制度の充実に引き続き取り組むとともに、新たに働き方改革の推進を位置付ける。これに合わせ、建設業協会が「適正な工期設定、施工時期の平準化、書類簡素化」を発注機関に働き掛け、国土交通省四国地方整備局や県が「著しく短い工期による請負契約の締結禁止」「施工時期の平準化」「適正な工期設定」に取り組む。
労働環境の整備では、感染症対策を含む現場の安全管理の推進、省力化・効率化の推進、女性が働きやすい労働環境の整備を継続し、新たに外国人材の活用や建設産業での経験のない転職者の支援など多様な人材の確保に取り組む。建設産業専門団体四国地区連合会は「コレワーク四国との連携による若年層の確保」を模索する。
将来を見通すことができる環境整備として、短期・中長期の公共事業見通しの確保、公共事業の安定的・継続的確保、入札・契約制度の改善を引き続き実施し、新たにICT施工の活用など生産性の向上を進める。
人材の確保に関しては、職業訓練の充実・活用を促すとともに、社内教育や資格取得などキャリア形成などの支援策を用意。CCUSの制度周知や導入の普及に努めることを新たに盛り込んだ。
提供:建通新聞社