東京都中央卸売市場は、新宿区にある淀橋市場の施設拡張に向けた調査業務を三菱総合研究所(千代田区)に委託した。市場の取扱数量に対して敷地が狭隘(きょうあい)で場内や周辺道路が混雑し、施設の老化も進んでいる。卸売場の拡張や総合事務所棟の建て替えなどの実現性を調査する。
淀橋市場(新宿区北新宿4ノ2ノ1、敷地面積2万3583平方b)は、1939年に開設。青果物を取り扱っている。敷地内に老朽化・狭隘化した施設が立ち並び、施設の再整備や場内動線の見直しが求められている。一方で、敷地が限られているため、施設改修を実施するのが困難な状態にある。
卸売場は現状の配置を維持した上で、待機駐車場に卸売場施設(1・2階)と事務室(3・4・5階)、正門前に卸売場施設(1・2・3階)などを整備する方向で、再整備の可能性を検討する。
新たに整備した施設の供用開始後に、既存の総合事務所棟を撤去し、跡地に加工・パッケージ機能施設などを整備する有効性も検証する。
新設する施設の設備については、垂直・水平搬送機などの先端技術を導入する可能性を探る。この他、▽野菜くずによるバイオガス発電の導入や発泡容器の高度再利用化▽近隣住民向けの売り場や近隣住民が集うためのスペースの対応▽災害時の拠点機能の強化―などの導入も検討する。
これらも踏まえながら、施工期間と施工エリア、施工費用、施設整備効果を比較し、施設規模を具体化。再整備の方向性を固めていく。
提供:建通新聞社