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日本工業経済新聞社(群馬)
2020/11/13

【群馬】館林市が汚水の処理施設統合を目指す

館林市は公共下水道、特定公共下水道、農業集落排水、地域し尿処理(コミュニティプラント)の各汚水処理施設について、人口減少などの状況を受け統廃合に取り組む。公共下水道の市水質管理センターへの集約を志向、12月15日まで進める検討業務で接続管渠計画や同センターの施設能力確認、費用対効果分析など行い、統廃合の可否を決定する考え。2021年度は下水道計画の変更を予定しており、統廃合となれば新たな形での汚水処理体系の構築へ移行、接続管渠などの工事に進むことになる。
市内の汚水処理は市水質管理センター(堀工町888)が4系列で1日最大計画処理能力2万3170立方mに対し、19年度末実績で1万6041立方mの処理量。全体計画は6系列3万3800立方m。処理方式は標準活性汚泥法。
特定公共下水道は館林工業団地の造成に伴い整備した近藤処理場(苗木町2447−90)。処理能力は1日最大3600立方mで沈殿法による処理。
農業集落排水は2地区あり、下早川田地区の処理施設(下早川田町527)は1日計画最大汚水量284立方m。処理方式は回分式活性汚泥方式。木戸地区の処理場(木戸町321−1)は連続流入間欠ばっ気方式で1日208立方mの計画最大汚水量。
コミュニティプラントも大島、分福の2カ所。市域北端に位置する大島は、土壌被覆型れき間接触酸化方式により1日平均300立方mを処理。一方、分福は長時間ばっ気方式で1日最大924立方mの処理能力となっている。
各地にある処理施設の統合には、汚水幹線ルートへ接続するための新たな管渠整備などが求められることから、接続管渠のルート、圧送方式など複数案を比較検討し最適な方式をまとめる。流量から断面も検討。ある程度まとまった流量が加わることから、既整備区域内全体の幹線管渠の能力確認は別途検討とした。
費用対効果の面で財政計画をまとめる。接続管渠の概算事業費と、人口減少による処理水量減少に応じた各処理施設規模の縮小(ダウンサイジング)を考慮した改築事業費を算定し、更新事業スケジュールをまとめる。
もう一つの流れとして下水道事業の基本計画区域縮小がある。区域を都市計画下水道決定区域まで縮小する案を基本として計画汚水量を算出する。縮小案は1488haを基本としている。
区域の縮小、施設統廃合を考慮して、市水質管理センターの容量計算を行い、接続管渠計画、財政計画などを踏まえ、廃止手続きなどまで含め長期的かつ総合的に統廃合の方向性を決定する。
統廃合の方向で固まれば、21年度に見直しを行う下水道事業計画へ反映させる。早ければ22年度以降には接続管渠の敷設などに取り組むことに。
検討業務はNJS(東京都港区)が担当している。