県内木材の効率的な流通を目指す「鳥取県サプライチェーンマネージメント(SCM)推進フォーラム」(会長・前田幸己県森林組合連合会代表理事会長)が11日、立ち上がった。山林現場での原木生産者「川上」から製材工場など製品供給する「川中」、住宅メーカーなど商品販売する「川下」まで一体的な需給体制を構築する。
県内木材の需給状況は、木材に利用可能な46〜60年ものの人工林が充実しており、毎年70万立方bが蓄積。一方、実際の生産量は30万立方bにとどまり、大規模合板工場や木質バイオマス発電施設などで高まる木材需要に追い付いていない現状がある。
このため、原木生産者、製材加工、木材流通、建築・設計まで川上から川下にかけて各関係者が連携。コーディネーターを介して需要変動に対応し、ICTを活用しながら安定的で効率的な木材の供給体制につなげる。
SCM推進フォーラムの設立会合には、林野庁木材産業課の岡井芳樹林業・木材産業情報分析官らを来賓に迎え、県内各森林組合、久大建材、ミヨシ産業、県木造住宅推進協議会、県建設業協会、県建築士事務所協会の代表らが出席。今後、川上から川下まで各団体から出された課題をアンケートして来年1月までにサプライチェーンを構築した上で、2月に来年度以降の取り組みを協議するスケジュールを確認した。
前田会長は「フォーラムは各事業者や山側にとって重要な役割を担う。2050年の脱炭素社会の実現に向けてもサプライチェーン確立への期待は大きい」と話した。
日刊建設工業新聞