令和2年度下期の近畿ブロック監理課長等会議が6日、大阪市中央区の大阪合同庁舎で開催。建設キャリアアップシステム(CCUS)のインセンティブ措置の導入・検討などを盛り込んだ「新・担い手3法の浸透に向けた申合せ案」を確認した。
近畿ブロック監理課長等会議は、入札契約担当課長会議として、近畿管内各府県の入札契約部局や建設業許可部局などの担当者と国土交通省・近畿地方整備局の担当者が意見交換を行う場で、年2回開催(会議は非公開)。今回は国交省、近畿地整の担当者や、京滋関係では京都府から林龍夫建設交通部理事(指導検査課長事務取扱)、滋賀県から小林政史土木交通部監理課課長らが出席した。
議題は、[検討議題](1)@施工時期の平準化の推進について(▽工期1年未満の工事における債務負担行為やゼロ債務負担行為の設定の促進▽速やかな繰越手続の推進▽農林や教育などの土木以外の部局や財務部局など部局間の連携▽自律的な平準化の取組等)A公共事業予算の動向と円滑な施行確保(▽不調・不落の状況・対応等)BCCUSの普及推進に向けたインセンティブの導入・検討(▽義務化・推奨モデル工事や企業評価の導入についての状況等)C新・担い手三法の趣旨のさらなる徹底(▽災害時の緊急対応▽発注者体制の現状・課題・取組▽調査・設計業務のダンピング対策、平準化、多様な入札契約方式▽工期に関する基準を踏まえた適正な工期の設定の推進等)、[報告議題]@発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドラインの改訂A入札契約適正化相談窓口の新設B社会保険加入対策C建設マスターD女性の定着促進E建設工事統計調査。
新・担い手3法の浸透に向けた申合せ案によると、新・担い手3法(公共工事品質確保法、入札契約適正化法、建設業法)に基づき、ゼロ債務負担行為や工期1年未満の工事における債務負担行為のより一層の活用や、速やかな繰越手続の推進、農林や教育など土木部局以外の部局も含めた部局間連携の推進など、施工時期等の平準化の更なる推進を図るとともに、特に以下の取組を推進することを申し合わせる。
[1]建設キャリアアップシステムのインセンティブ措置の導入・検討(CCUSについて、建設業界共通のインフラとして定着を図るため、CCUS推奨モデル工事や総合評価での加点措置など、先行する取組を参考にし、(地域の中小建設業者等の普及状況に鑑み、インセンティブ措置をまずは一定規模以上の公共工事から順次導入・検討することも含め)「既に検討を始めている都道府県は、地域における制度の普及状況等を踏まえて適宜、公共工事におけるインセンティブ措置の導入に努めること」「まだ検討を行っていない府県は、実施に向けた具体的な検討に着手するよう努めること」、また国土交通省は、地域の事業者等の理解増進や事業者及び技能労働者の登録の推進とともに、地方公共団体に対して、事業者登録状況の情報共有など、インセンティブ措置の導入等に係る必要な支援を講ずることとする、[2]都道府県公契連等を通じた入契法・品確法の更なる徹底(施工時期等の平準化のほか、ダンピング対策や週休2日工事等、入契調査の結果を踏まえ、国・都道府県・市区町村の一体的な連携のもとで入札制度等の改善が図られるよう、今年度開催予定のない団体を含め、来年度より各都道府県において都道府県公契連を開催し(特段の事情がある場合は例外的に国と地方公共団体による他の協議会も含む)、国による市区町村への直接的な働きかけや情報共有、取組改善の一層の推進に努めるものとすること)。