尾鷲市、熊野市、紀北町、御浜町、紀宝町の東紀州5市町が進める「広域ごみ処理施設」の整備について、建設地を尾鷲市営野球場(八浜真砂997ノ1、2560ノ7)とする計画が明らかになった。11月下旬に周辺関係者らへの説明会を開催し、12月のパブリックコメントなどを経て、2021年3月の一部事務組合の設立、4月から組合業務を開始し、具体的な整備計画づくりに入る。
市営野球場の総面積は2万3161平方bで、中部電力と尾鷲市が所有する。標高は約23・7b。概算の建設費は約71億円で、付帯工事費として野球場解体費に約1億0300万円、用地費に約2000万円、杭施工費に約1億円と試算。この他、火力発電所跡地に建設する代替の野球場と津波避難施設に約8億5000万円、施設への搬入路(市道真砂線・延長360b)の整備に約1億0300万円を見込む。
これまで建設予定地については、中部電力尾鷲三田火力発電所構内の「定期点検用地」と中電が所有する「燃料基地用地第2ヤード」の2カ所に絞り検討してきたが、いずれも南海トラフ地震での津波浸水エリアにあることや、盛土などの工事に多額の費用がかかることから、これらの場所での建設を断念した経緯がある。
現在まとまっている基本構想によれば、環境省の循環型社会形成推進交付金制度を活用するため、エネルギー回収型の処理施設を建設する。施設の運営方法については公設公営や公設・長期包括委託方式(運営を民間に委託)をはじめPFI方式やDBO方式を検討していく。施設規模は1日当たり71d。21年度以降、建設用地の取得や基本計画づくりを進めていく方針。基本構想では27年度からの稼働を目指しているが、スケジュールは流動的だ。
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建通新聞社