横浜市は2022年度以降に中央卸売市場の本場(神奈川区山内町)で関連棟の整備・改修や加工・物流施設と冷凍・冷蔵施設の整備を検討する。また、今後10年間で食肉市場(鶴見区大黒町)の品質管理の高度化につながる改修などを推進する。20〜29年度の10カ年を計画期間とする経営展望に盛り込んだ。計画期間のうち直近20〜23年度の4年間に本場と食肉市場の施設整備へ総額103億円余りを投入。本場で青果部増築の本体工事をスタートさせる。
整備・改修を検討する本場の関連棟は鉄筋コンクリート造4階建て延べ6992平方b(1984年度完成)で、鳥卵部と関連事業者が使用。老朽化が進んでいることから、計画期間の中期(22〜26年度)以降の取り組みに整備・改修の検討を位置付けた。
また整備を検討する加工・物流施設と冷蔵・冷凍施設は、本場の補完機能を持つ旧南部市場(金沢区鳥浜町)での対応も想定。取引先の加工ニーズ(1次・2次・高度)を取り込んだり、共同配送の仕組みを構築したりして▽取扱数量・金額の増加▽販売エリアの拡大▽物流コストの削減―を可能にするのが目的だ。計画期間の中期以降、場外民間事業者の参画を含む効率的な設備投資や経営方法などとともに検討を進める。
直近4年間に施設整備経費103億円余りのうち、本場分は▽20年度=5億3300万円▽21年度=13億4700万円▽22年度=17億8800万円▽23年度=21億0200万円―の総額57億7000万円。青果部増築(延べ床面積1万5170平方b)の本体工事は21年度の着工、24年度の完成を目指している。
一方、食肉市場の品質管理の高度化につなげる改修は6月施行の改正食品衛生法で義務化されたHACCP(食品衛生管理手法の国際標準)に対応するため。優先順位を定めて支出も平準化する計画的な修繕・改修とともに、10カ年の計画期間を通して展開していく。
直近4年間の食肉市場分の施設整備経費は▽20年度=19億6200万円▽21年度=4億円▽22年度=11億0300万円▽23年度=11億3800万円―の合計46億0300万円。22年度から小動物(豚)解体室の食肉機械の更新を実施する考え。
提供:建通新聞社