東京都都市整備局は、品川駅周辺の都市基盤整備のうち、東西自由通路の西側延伸や西口駅前広場の整備内容を具体化するための調査を始める。品川駅周辺の歩行者通行量を推計して東西自由通路の必要幅員を算定する他、長距離バスターミナルの設置に向けて需要などを予測し、鉄道事業者ら関係者と協議する上での基礎的な資料を整える。国土交通省や民間事業者が実施するまちづくりと連携して駅前の機能と利便性を強化し、日本の玄関口にふさわしいシンボル性のある広場空間へと再整備する。
品川駅西口では、東口(港南地区側)と西口(高輪地区側)をつなぐ既存の東西自由通路の混雑が課題となっている。また、西口広場は狭あい化しており、バスやタクシーが輻輳(ふくそう)しているだけでなく、歩行者空間も不足している。
この課題を解決するため、西口駅前広場と高輪側の市街地を分断している国道15号の上空に、国土交通省関東地方整備局が品川駅西口基盤整備として大規模な人工地盤(デッキ)を建設し、自動運転を活用した次世代型交通ターミナルと駅前広場を整備する計画がある。
この基盤整備の進捗に併せ、東西自由通路を西側に延伸し、国道15号上部のペデストリアンデッキに接続させる。延伸に向けた整備内容を具体化するため、品川駅周辺交通基盤整備計画の策定業務について、希望制指名競争入札を11月27日に開札し、委託先を決める。
委託業務では、歩行者交通量推計から通路の必要幅員などの規模を算定し、協議資料を整理する。また、西口駅前広場に関して、バスやタクシー乗降場の配置などの詳細を詰める。
この他、長距離バスの導入を検討するため、都内の長距離バスターミナルを調査する。調査事例とするのは、▽八重洲▽浜松町▽大崎▽池袋▽新宿▽日本橋箱崎町(T―CAT)―を想定している。複数の事業者へのヒアリングも実施した上で、品川駅発着の高速バスの今後の展望や、駅周辺に高速バス機能が導入された場合の意向を明らかにし、将来需要としてまとめる。
提供:建通新聞社