県農政水産部農村振興課は、雄琴・上仰木地域の地すべり防止施設(計43施設)について、今年度より29年度までの10年間を計画期間とし、想定事業費3億6400万円をかけて長寿命化対策に取り組んでいく。
今後のスケジュールについては、まず今年度〜24年度に8施設の長寿命化に着手する。想定事業費は2億0800万円。そして25年度〜29年度には、35施設を対象に長寿命化に着手。その想定事業費は1億5600万円。
主な対策内容は、▽水路=目地の補修・水路更新、▽擁壁=壁面補修・空洞充填・再施工、▽水抜工=孔内洗浄・集水パイプの追加、▽法枠=アンカー再緊張・表面保護工の追加・受圧板の補修更新、▽集水井=集排水管の洗浄・ライナープレートの補修補強―に取り掛かるが、施設の機能低下状況や施工性、経済性を考慮し、効果的な対策を実施する。
今回、長寿命化対策に取り掛かる43施設は、機能低下が確認された施設と、地すべりの安定度に直接寄与する重要施設のうち監視が必要な施設があり、そのほかに保全管理対策に着手していく施設が272施設あり、日常管理(巡視)、概査(機能診断)、監視(経過観察)を施設の状況に応じて実施し、適切な施設管理を行う。
県では、地すべり災害を防止するために、地すべり防止施設の機能を持続的に発揮させていくことが重要であり、その機能を維持保全する長寿命化対策を計画的・効果的に実施する中長期的な計画を策定。施設の現状としては、地すべり防止施設は、昭和35年の区域指定を受け、整備を進めてきたが、施設の多くが造成後50年以上が経過。機能診断を行った結果、集水井の腐食や集排水管の閉塞、水路の破損など、機能低下が顕在化しており、長寿命化対策が求められている。
なお、雄琴・上仰木地域は、地すべりが発生する危険が極めて大きいため、「地すべり等防止法」に基づき農林水産大臣から区域指定を受けている。
提供:滋賀産業新聞