全国中小建設業協会の四国ブロック意見交換会が10月26日、高知市内で開かれ、高知県中小建設業協会(吉村文次会長)が週休2日制の定着や平準化を自治体に働き掛けるよう国土交通省に要望した。国交省は、各自治体の平準化や入札契約に関する取り組み状況を踏まえ、「都道府県公共工事契約業務連絡協議会(公契連)や四国地方公共工事品質確保推進協議会の場を通じて、具体事例なども示しながら市町村に直接改善を働き掛けていく」との意向を示した。
協会側はまず、働き方改革の推進に関連し、自治体の多くで週休2日モデルが導入されていない現状を説明。国工事の施工者と地方工事の施工者で、あるいは企業内でも休日取得の格差が生じると問題点を指摘し、建設業従事者が等しく休暇を取れるよう「市町村を含めた全ての発注者への強力な指導」を求めた。
また、以前に比べ平準化が進んできたことを評価しつつ、「県や市町村発注の小規模工事の7〜8割程度は工期が年度末に集中しており、これを主体とする(地元)企業は平準化を実感できていない」と実情を訴え、発注の前倒しを徹底するよう要請した。
これに対し国交省は、「高知県内で週休2日モデル工事を実施しているのは2町村だけと把握している。また、平準化についても、債務負担行為の活用や柔軟な工期設定など、いわゆる平準化の促進に向けた『さ・し・す・せ・そ』の浸透が十分ではない」との現状認識を示した上で、「国や地方の先進事例、成功事例を紹介しながら、週休2日や平準化の推進を市町村に直接働き掛け、改善につなげていく」と答えた。
協会側は、建設業を若者にとって魅力ある産業とし、日給制の技能労働者の収入減を補うため、週休2日に応じた労務費と諸経費の引き上げが必要だとも強調したが、国交省は「現在の制度上、労務費調査の結果に基づき単価を設定している。調査を着実に実施し、実勢価格を反映させる」と述べるにとどめた。
一方、国交省は高知県内を中心とした四国での入札不調・不落の発生状況を確認した。協会側は「自治体発注の山間部での小規模な農林関係の工事などで、施工条件を十分に考慮していない設計や積算が見受けられ不調・不落が相次いでいる」と現状を説明。国交省側も自治体への調査や意見聴取を通じ「土木部局と、農林水産、水道、学校、病院などを所管する部局との間に、ダンピングや平準化に関する認識の違いがあると感じている」と答え、新担い手3法に基づく取り組みを促していく方針を示した。
提供:建通新聞社