トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

北陸工業新聞社
2020/11/06

【福井】地域をつくる木造建築家を養成/ホルツアーキテクト/初回テーマ山がよろこぶ木材活用

 福井県農林水産部の県産材活用課が主催し、地域をつくる木造建築家を養成する「ホルツアーキテクト」研修会(計6回)が、10月31日から始まった。
 坂井市丸岡町楽間の県総合グリーンセンター、ふくい林業研修センターで。
 初回講師は、持続可能な木材資源の有効活用を経営方針に掲げる物林(東京)の新事業推進部長、大貫肇氏が務めた。山がよろこぶ、をキーワードに、森と建築の深い関係性について話しかけた。
 大貫氏はまず、この関係性の追究は、国の在り方や、枠組みづくりにも関わる、大変重要な切り口と指摘。万葉集や、それ以前からの史実も紐解き、日本民族と山との深い関わりを紹介。その上で、課題や展望を示した。
 なぜ大学教育において、木造を教えないのか?「大工でも作れるものを、大学で教える必要はない」という、戦後教育の偏狭さをズバリ指摘。また、国産材が売れない原因は、安価な外材のためというが、「国産材は外材よりも価格は安定。ぶれない供給と、逃げない需要が大切」と強調。木を使えばいい、という雑な発想の転換へ。今後は、何(誰)のために使うのか。地域(生活)が良くなっていく方向へ、と願い「山にシンパシー(共感や共鳴)が無ければ、木を売るのを止めてほしい」とも注文した。

講師2人目の九州大学大学院農学研究院の藤本登留氏

■研修テーマ
木の材料学「素材の理(ことわり)」
・木材乾燥の目的
・木材の変形
・木材の割れ(特に芯持ち角材について)
・木材乾燥の種類と特性 加熱法等による人工乾燥法の分類と各乾燥装置の紹介 用途に応じた乾燥法の工夫
※乾燥方法の良しあしを、単純には言えない。天然乾燥も大断面材を乾かすことが可能(かなりの時間をかけさえすれば)。時間をかければ、どんな方法でも、上手に乾燥できる場合が多い。ただし乾燥業者だけでは対応できず、建築業者など需要者側の余裕をみた計画も大切。用途(求められる材質)に応じた乾燥法の組み合わせや、スケジュールを考える。良い乾燥材の生産は、需要者側との連携が重要と指摘。

hokuriku