熊本県は、老朽化が著しい児童自立支援施設「清水が丘学園」の全面建て替えに乗り出す。2026年度までの7カ年事業で、総事業費は概算22億円。20年度は設計等に着手するため、債務負担行為分と合わせ事業費約1億1300万円を予算化した。年内にも公募型プロポーザルを公告し、設計者の選定作業に入る。
同学園は、熊本市北区打越町にあり、1979年に整備された。敷地面積は約2万6000平方b。児童棟(710平方b)、管理・学習棟等(626平方b)、体育館(150平方b)等の施設がある。
建設から40年余りが経過し、各施設は老朽化。「死角が多い」「相談室等がなく職員執務室等の機能・広さが不十分」「体育館や運動場等は十分な設備が確保できていない」などの課題を抱えており、施設改修は喫緊の課題となっている。
県は、2018年度に検討会議を立ち上げ、必要な機能等について調査。同会議の答申を踏まえ、良好な家庭的環境等を実現するため、全面改築することを決めた。
基本計画によると、新しい施設は、児童棟1120平方b(調理棟含む)、管理・学習棟1534平方b、体育館660平方b、プール25b×4コース、運動場3200平方b。建物の規模は現在の2倍超となる。児童棟は、小集団ユニットの男子2寮・女子1寮(1寮あたり8人)とし、自活訓練スペース等を確保する。管理・学習棟は、会議室・書庫・特別教室・教材室等を設け、機能を充実。体育館はバスケットコート1面分程度を確保し、プールは新設、運動場は50b走ができる広さとする。
建物の構造や階数などは設計の中で具体化する方針だが、敷地に制約があるため管理・学習棟と体育館は一体的に整備する方向で検討されている。
建物の整備スケジュールは、今年度から3カ年で全体の基本設計と児童棟の実施設計を進め、23年度に児童棟建設と管理・学習棟の実施設計を行う。24〜25年度に管理・学習棟を建設、プール建設は26年度となる。敷地の整備計画は、20〜21年度に設計、22年度に法面補強工事、24〜26年度に運動場・園内道路・調整池を整備する予定。
県の発注予定情報(詳細版)によると、12月頃に建築設計の公募型プロポを公告し、21年2月に設備設計の指名競争を発注する予定。履行期間はいずれも約15カ月間を見込んでいる。
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