川崎市は、学校プールの効率的利用に関する調査検討業務委託の委託業者として三菱UFJリサーチ&コンサルティングを、公募型プロポーザルにより選定した。今後のプール更新などを見据えた取り組みを進める必要があることから、その手法について検討を進める。民間活力の活用も含めた柔軟な発想から今後の方針を検討していくため、高度な創造性や専門的な技術および経験を有する事業者からの技術提案を踏まえながら、学校プールの効率的な利用の実現に向けた手法およびその可能性について検討する。履行期限は2021年3月24日。
学校プールは、水泳授業を主な内容として、概ね6月から9月の限られた期間に活用されているが、その管理を担う教員の負担は大きく、また、多くの維持管理費用を要している。さらに、老朽化の進行により、今後、プールの更新などによる対策も必要となるが、その費用負担は大きく、公共施設として費用に見合った施設の活用が求められている。このような課題は全国的なものであり、近年では他都市において民間プールや公営プールを利用した学校プールの再編事業などの取り組みも進められており、川崎市でも今後のプール更新などを見据えた取り組みを進める。
今回委託する業務では、@市立学校での既存プールの築年数・設置方式、維持管理経費の整理A解体を含めたプール更新費用の整備(屋内プール、屋外温水プール)B施設立地状況の整理(学校、民間プール、市所有プールなど)C他都市での民間活用によるプール整備・運営事例の収集・研究―などを行った上で、学校プールの効率的な利用の実現に向け、民間活用を含めたあらゆる手法を洗い出し、そのメリット・デメリットを分析する。その検討・分析に基づいて、民間事業者を対象に事業参画の可能性を確認したり、事業化を想定した場合の条件・要望などを聴取したりして、整理する。
さらに、モデル地域を設定し、学校プールの効率的利用の可能性を検証するため、事業条件の設定、事業費総額(LCC)の試算、VFMの算定、実現可能性の評価を行う。モデル地域以外についても、施設立地状況と児童生徒数・学級数を踏まえた集約化可能性地域の仮設定、効率的利用の可能性の検証を実施する。
また、学校プールの効率的利用に向けた課題を整理し、今後の方針を検討する。具体的には▽移動手段、移動時間の検証▽学校運営上のメリット・デメリットの整理▽事業費総額(LCC)の試算、VFMの算定(学校ごとに更新した場合と効率化を実施した場合の費用比較)▽プール解体後の災害時貯水機能の確保手段の検討▽学校プールの効率的利用の実現可能性と民間企業とのリスク分担の検討―などを行う。
提供:建通新聞社