国土交通省関東地方整備局は、10月1日に施行された改正建設業法に基づいて監理技術者の兼務を認める工事の範囲を定めた。土木関係工事については施工地が同じ都県内、機械や電気、営繕工事については関東地方整備局管内を標準とする。維持工事を除く事務所発注の分任官工事を対象に適用することとしており、対象案件については入札公告時に公告分などに明記する。
改正建設業法では、監理技術者の専任配置を緩和し、監理技術者補佐を専任で配置した2工事に限り、「特例監理技術者」が兼務できるようにした。監理技術者補佐になれるのは、1級施工管理技士補か、または1級施工管理技士など監理技術者の資格を有する者。
関東地整は、2工事の兼務を認めるに当たり、特例監理技術者が主要な会議への参加や現場の巡回、主要な工程の立ち会いといった職務を適正に遂行できる範囲を検討。
土木関係工事のうち河川工事については、都県境を流れる河川も多いことから、沿川市町村の現場であれば兼務を認めることにした。
また、機械関係工事や電気・通信関係工事、営繕関係工事については、関東地方整備局管内であれば兼務を認める。管内境界に接する工事の場合は、他地整管内の隣接県も兼務を認める範囲に含める。
こうした範囲を基本に、工事ごとに地域特性を踏まえて発注事務所が個別に設定する。直轄工事と自治体発注工事の兼務も可能。
1級技士補が取得可能になるのは技術検定制度の見直しがある21年度以降のため、現時点で監理技術者補佐となれるのは監理技術者の有資格者に限られる。関東地整は21年度以降、監理技術者の専任緩和が若手技術者の育成や、多発している入札不調の軽減につながるかを注視していく。
提供:建通新聞社