大阪市は、水道配水管の更新事業を民間事業者に一括して委託する「水道PFI管路更新事業」で、事業者選定に向けた募集要項を公表した。事業者は2以上の法人で構成するグループとし、延長約1800`以上の配水管更新事業などを実施する。
公募スケジュールによると、11月27日〜12月7日に資格審査書類を受け付け、12月21日に審査結果を通知。2021年1〜3月に資格審査通過者と競争的対話を実施した後、5月上旬まで事業提案審査書類を受け付け、6月ごろに優先交渉権者を決める予定だ。
同事業に関して市は、今年4月に特定事業として選定。延長約1800`を耐震管に更新する他、災害時における水道管修繕などの応急復旧活動、運営者が独立採算で行う任意事業なども含めている。
現在、大阪市内には約5200`の配水管が張り巡らされており、いまだに多くの経年管路が既存。老朽化率は48%(18年度現在)で、全国ワーストワンとなっている。市は現在、60〜70`のペースで管路更新を進めているが、発生が危惧される南海トラフ巨大地震などを踏まえ、更新事業を民間事業者に一括委託することを検討していた。
市の試算によると、現行のペースでの1800`の更新要年数は25〜26年間、総事業費は3400億円。これを民間事業者に委託した場合は、更新時期を15年間程度に短縮できる他、事業費も約3000億円に圧縮できるとみている。
提供:建通新聞社