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建設経済新聞社
2020/10/30

【京都】府営水と受水市町広域化検討 浄水場21から9〜13に削減可 水道施策に関する意見聴取会議に報告

 京都府営水道と受水10市町の水道広域化シミュレーションで適正な施設規模について、現状の21浄水場から9〜13浄水場に削減可能とする検討結果が明らかになった。
 京都府が29日に開催した水道施策に関する意見聴取会議で水道広域化シミュレーションなどを報告した。
 水道広域化シミュレーションによると、北部、中部、南部の3圏域において事業者が単独で事業継続した場合と、圏域毎に広域化(事業統合又は経営の一体化)した場合の経営状況の50年後(2068年度)の将来見通しをシミュレーション。広域化効果額累計(50年間)は、北部が262億円、中部が68億円、南部が38億円と推計、供給単価の削減率は北部が4・8%、中部が2・0%、南部が5・3%と推計した。令和2年度も更に詳細なシミュレーションを実施中。
 府営水道と受水10市町の水道広域化シミュレーションでは、将来40年後の水需要予測と施設の更新需要を分析し、給水原価を推計。コスト削減とリスクマネジメントのバランスを考慮した施設の適正配置等を検討した。
 「施設予備力を現行同水準となるよう合理化」「地震等のリスク発生時でも日平均給水量を確保」として検討した結果、施設老朽化による更新需要が今後も増加、40年後の水需要は約31%減少、現状の施設規模を維持した場合の施設予備力は26%から49%に増大するとし、施設規模の適正化が必要だが、更なる適正化には事業体境界を超えた検討が必要とした。
 適正な施設規模の検討では、現状の21浄水場を9〜13浄水場に削減可能、建設改良費(40年間)は約100億円削減可能とする検討結果をまとめた。
 府はこれらシミュレーションを議論のたたき台として、広域連携・広域化について市町村と協議を進める。
 また意見聴取会議では、府・市町村等で構成する水道事業広域的連携等推進協議会の検討状況も報告した。
 同協議会は令和元年10月に設置(下部組織として幹事会を設置)。幹事会は北部圏域が令和元年11月20日、中部圏域が令和2年1月16日、南部圏域が令和2年1月22日に開催した。
 広域化等に関する主な意見としては、北部圏域では、▽住民への丁寧な説明を行い合意形成を図ることが重要▽水道事業の安定的・持続的な経営を目指す観点から広域連携・広域化は有効な手段▽各市町の実情を踏まえながら広域連携によるスケールメリットの発現を目指す▽広域連携では民営化しないことを明確にした上で、できることから取り組み、最終的には条件が整った段階で企業団を設立することが望ましい、中部圏域では▽(亀岡市においては)水道用水供給の取組を進めているが、さらに水道用水供給の区域をその他にも拡大できるか検討を進めていきたい▽施設統合について、中部圏域を越えて隣接も視野に入れながら将来的に検討したい、南部圏域では▽水道事業の統合や企業団化も検討項目として排除すべきではない▽広域連携等は水道事業者ごとにその内容や時期を慎重に見極める必要がある−などの意見があった。