北海道建設新聞社
2020/10/30
【北海道】IST事業に関する説明会 十勝管内企業対象に
十勝総合局は15日、ロケット開発を進めるインターステラテクノロジズ(本社・大樹、IST)の事業に関する説明会を開いた。管内企業を対象にした説明会は初開催で、機械設備や電気工事業など21社が参加。ロケット射場や工場を見学してもらい、ISTは技術面などでの協力を求めた。
管内企業と連携して十勝の宇宙関連ビジネスを育成するのが狙い。ロケット開発や宇宙関連事業について理解を深めてもらうため、同総合局が企画した。
参加者は大樹町の宇宙交流センターSORAに集まり、ISTの事業概要や開発過程について説明を受けた。同社の技術担当者は「ロケット関連の仕事として土木や設備、電気などあるが、どれも世間一般の技術で特別なものはない」と話し、打ち上げ回数や開発のペースを上げるために関連業者との協力が不可欠だと強調した。
続いてロケット射場と製造工場に移動し、打ち上げを控える観測ロケットMOMO7号機の機体や部品の加工作業を見学。使用する機械や部材のコストなど質問が挙がった。
参加した相互電業(本社・帯広)の斉藤直也さんは「ロケットは未知で手が届かない分野と思っていたが、工場や電気設備も案外シンプルなものだった」と感想を述べた。
ISTの稲川貴大社長は「宇宙開発という壮大なテーマから開発への協力はすごく難しい印象を持たれていた。ただ今回の参加者から自分の所でもできるといった声も聞けた」と手応えをつかんだ様子。
また技術協力について「これまで道外企業への外注が多く、輸送やコミュニケーションの面で苦労していた。管内や道内企業でできたら効率も上がる。開発が続く限り設備改修などのゴールはないので、協力は時期を問わず必要になる」と話した。