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建通新聞社(東京)
2020/10/30

【東京】都 多摩北部医療センター建て替えへ

 東京都病院経営本部は、多摩北部医療センターを建て替える方針を固めた。10月28日に基本構想検討委員会(委員長・大道久日本大学名誉教授)の初会合を開き、検討に着手した。建物と設備の老朽化が進んでいるだけでなく、もともと高齢者専門病院として開設した施設のため、患者の動線や利便性、災害時の自立エネルギー確保、新興感染症の受け入れ体制整備など、機能面でも課題がある。検討会では、これらの現病院の課題や経営状況、新しい病院に求められる役割と機能など運営面も含めて議論し、2021年8月以降に報告書を公表する予定。
 多摩北部医療センター(東村山市青葉町1ノ7ノ1、敷地面積16万2797平方b)は、老人ホームや老人保健施設などの機能を配した「東村山キャンパス」の一角にある総合病院。1986年に都立の多摩老人医療センターとして開設し、2005年に都が出資する東京都保健医療公社に移管した。
 北多摩北部医療圏(東村山市、清瀬市、東久留米市、西東京市、小平市)の中核病院として、全年齢層を診療対象としている。
 病床数は337床。職員数は435人。診療科は内科と内分泌・代謝内科、循環器内科、呼吸器内科、消化器内科、神経内科、血液内科、精神科、外科、脳神経外科、整形外科、リハビリテーション科、歯科口腔外科、小児科などで構成する。
 敷地内の建物の規模は、病院本館が鉄骨鉄筋コンクリート造延べ2万5016平方b。この他、敷地内には▽職員住宅A棟(鉄筋コンクリート造4階建て延べ2537平方b)▽職員住宅B棟(鉄筋コンクリート造地下1階地上5階建て延べ2177平方b)▽看護実習自習控室棟(鉄骨造平屋97平方b)▽病児保育室(鉄骨造平屋149平方b)▽付属棟(エネルギーセンター、ガスガバナー棟、マニホールド棟、延べ1279平方b)―などの建物がある。
 基本構想検討委員は、病院経営本部を含めた都・公社関係者の他、北多摩北部医療圏内の医師会長らで構成。委員によると、人口減少や高齢化が進む一方で、全国的に小児科や産科が不足している現状があるという。これらの現状も含めながら、地域に必要な医療機能や病院の規模、敷地利用などをまとめる。
 21年8月までに4回程度の会合を開き、報告書を公表する。これを受けて都が基本構想を策定し、基本計画など、次の段階に備える。

提供:建通新聞社