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　新潟県の花角英世知事と長野県の阿部守一知事は２８日、国土交通省および財務省を訪ね、県境をまたぐ県管理区間の信濃川・千曲川「中抜け区間」を直轄編入するよう、共同要望を行った。
　両県にまたがる全国一の河川延長を有し、これまでに幾度となく大きな水害に見舞われてきた。特に、１９年の東日本台風では多くの水位観測所で既往最高水位を観測し、堤防が決壊するなど大規模な浸水被害が発生。これらを踏まえ、信濃川水系全体の将来にわたる安全・安心を確保するため、県管理区間の宮中取水ダム（十日町市）から湯滝橋（長野県飯山市）約４０キロ（新潟約１８キロ、長野約２２キロ）を対象とし、「信濃川水系緊急治水対策プロジェクト」に係る予算確保、国による一元的な管理、水系一貫となった総合的な河川整備と保全を推進するため、地方整備局の人員・体制の拡充を強く訴えた。
　中抜け区間における課題は河川管理者が３者存在し、それぞれの財政面の問題のほか、整備目標・スケジュール等の利害調整の必要性等から整備が進んでいないのが現状。さらに、抜本的な対策には上下流の流域住民の利害調整と大河津分水路をはじめとした、直轄管理区間および県管理区間（中抜け）の整備が必須だと指摘。一元的な管理により、確実な治水安全度の向上と迅速な情報収集・伝達が可能となり、一層の防災・減災が図られる。